326 | Reply | 山本少年探偵団 ファイル1 魔術大騒動(中編) | 須坂稔 | 2003/10/31 22:52 | ||
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山本少年探偵団 ファイル1 魔術大騒動(中編) 魔術研究部の実験室には研究部に所属している生徒たちが実験室の魔法陣を中心に輪を作って立っていた。 「ではこれより今月の魔術実験を行いたいと思う。今回はわかっていると思うが召喚魔術を行いたいと思う」 そう魔術研究部の部長が説明する。 ちなみに召喚魔法では実際に異界の生物(普通彼らは魔獣と呼ばれる)を召喚するのだが、召喚されるのは 危険のない種類ばかりである。(それ以前に危険な種類の魔獣を召喚することを顧問が認めるはずがないのだが) 「じゃあ始めようか」 そう言って部長はゆっくりと召喚魔術の詠唱を始める。そしてその詠唱が終わると同時に、魔法陣から魔獣が現れる。 本来ならば召喚された魔獣は数分で消えるはずであった。が、その魔獣はいきなり部長に襲いかかってきた。それが合図であるかのように魔法陣から魔獣が次から次へと現れては襲いかかってくる。 たちまち実験室が混乱に陥ったのは言うまでもない。 そのことを匠と泉音の2人から聞いた林はすぐに実験室へ急行する。 実験室に入った林が見たものは何匹もの魔獣だけで、生徒たちは何とか逃げられたのか1人もいなかった。 魔獣たちが林の存在に気がついたのか、彼女に向かって襲いかかってきた。だが、彼女はあわてることなく手のひらを魔獣たちに向けると何事かつぶやく。 彼女のつぶやきが終わると同時に襲いかかろうとしていた魔獣たちの動きが停止した。それを確認すると林は実験室から出ていった。 学校での仕事を終えた林はその足であるアパートに行き、その一室のベルを鳴らす。 ドアが開いて中から1人の女性が姿を現した。 「いらっしゃい、マミリン。電話では話があるって言っていたけど」 「そうなんだけど、とりあえず中に入っていいかしら」 「ええ、いいわよ」 そう言われて林も家の中に入る。 実験室を一時的に封鎖したもののどうしてこんな事になったのかは見当はつくもののいいむ対処法が彼女には思い浮かばない。そこで、友人の魔術研究家、花柳優の力を借りることにした。 「やっぱり魔法を間違えたと考えるのが自然よね」 林から今日あったことを聞いた優はすぐにそう言った。 「ちょっとその魔術が書かれていた本見せてくれる」 「いいわよ、はい」 そう言って林は優に本を渡す。優は例の魔術のページをしばらく見ていたが、 「ちょっとごめんね」 とだけ言って別の部屋へと姿を消す。しばらくして彼女は1冊の本を持って戻ってきた。彼女は本のあるページを広げると林に見せる。 「ほら、これ。あなたが言っていた召喚魔術とよく似ていると思わない」 「確かによく似ているわね。これって普通の人が見たら同じ魔法に思われても不思議じゃないわね」 「ええ。しかもこれ最近分かった魔術だから対抗魔術がまだ…」 「そう…」 2人の間に沈黙が流れる。 「とりあえず役に立ちそうなものをさがしてみましょう、優」 「それしかなさそうね、マミリン」 そんな2人が例の召喚魔術に対抗できそうな魔術(未解読)を見つけたのは深夜になってからのことだった。 そして今、林は匠と泉音、そして山本たち探偵団の3人とともに解読作業を進めている。魔術を見つけた後、林と優は気力の続く限りその魔術の解読をするも、全てを解読することができず、学校で続きを行っている。 「先生、このページ終わりました」 そう言って泉音が自分が解読した所のメモを机の上に置く。彼女が何気なく窓の外を見た瞬間、彼女の顔色が変わる。 「先生、魔獣たちが…」 その声に全員が窓に駆け寄って外を見ると、魔獣が中庭で遊んでいる生徒たちにおそいかかっていた。 「林先生」 匠がそう叫んで林の方を見ると彼女はすでに魔術の詠唱を始めていた。 「2人とも、どこへ行くんだ」 今度は山本が教室のドアに駆け出していく森と納を見て言う。 「ここの外にもたくさんの魔獣がいるみたいなの」 「俺たちでくい止めるから早く完成させてくれ」 そう言って教室を出る2人。突然の事態に3人はしばらく固まっていたが、 「とりあえず早く解読しよう」 この山本の言葉によって3人は解読を再開する。 森たちが廊下に出ると多くの魔獣たちが待ち受けていた。 「まさかまたこれを使うことになるとは思わなかったわね」 「ああ、そうだな」 そんなことを言う2人の手にはすでに武器(森は剣、納は扇)が握られている。 「それじゃ行くか」 そして2人は背中合わせに立つと魔獣たちに躍りかかる。 約1分後、ほとんどの魔獣は2人によって倒されていた。 「まあ、こんなもんかな。それにしてもアンタ腕落ちたんじゃない」 「お前だって…」 不意に納が黙り込む。 「どうやらボスが来たみたいだぜ」 「そうみたいね。殺気が違いすぎるわね」 そう言いながら身構える2人の前に巨大な魔獣が姿を現した。 山本少年探偵団 ファイル1 魔術大騒動(中編) 完 <後書き> とりあえず林先生が予想以上にがんばっています。 魔術大騒動も後1回で完結すると思います。 とりあえず納&森VS魔獣みたいな展開にはなりません。 それとカナちゃんが出てきます。 遠くない日にお会いできることを祈って。 それじゃあ、また。 追伸:明日までにこの話の正式設定(前編のは仮)の一部をのせるのでそちらも読んでくれるとうれしいです。 |
327 | Reply | 大混乱? | 空理空論 | URL | 2003/11/02 03:33 | |
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…なんて気がします。 いや〜、実際学校内に魔獣がたくさん出てきたなんてことはそうに違いないだろうし、 それでも、生徒と先生とで懸命に(というよりは手早く?) 対処をかけてるのもなかなか凄いですが。 (でもまぁ、そうでもないと召還など許そうはずもないでしょうが) 執筆の続き、頑張ってください |
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