310 Reply 我は名も無き…その2 ふぉうりん MAIL URL 2003/09/28 14:43
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その2『巨人と動くぬいぐるみ』
盗難事件が載っていた。
今日は日曜日だ。朝から新聞を読んだ。勿論地方紙である。
近隣で高級食材の盗難が相次いで起きているそうだ。比較的平和な街かと思っていたがなかなかどうして物騒なものだ。

特に用事もないので、ウィンドウショッピングでもしようかと思った。
先日の騒ぎの際、紛失した文具があるたことを思い出した。
わたしは近くのスーパーへと足を運ぶ。確かレジの近くに前に文具コーナーがあったはずだ。
巨人を見た。鎧に身を固めた鬚面の大男だった。一瞬、昔TVで見た「風雲ナントカ城」に出てきたヨ○イ注かと思った。
わたしとしては、払い下げの巨大ぬいぐるみであったことにしておきたいところだが、どうみてもあれはぬいぐるみの類には見えなかった。この町には、パワースポットでもあるのだろうか?不思議事件の連続だ。親戚の通っている学校にそんなことを調査している浪漫倶楽部という団体があったことを思い出す。一度まじめに依頼してみようかなどと思った。まぁ、それは冗談だが・・・
ただのぬいぐるみではない巨人。これは危険だ。
というか、前方からパニックという名の人の波が押し寄せてくる。巻き込まれたらただでは済みそうにない。
わたしはきびすを返し、出入口に向かって、早歩きで戻ろうとしたとき、巨人の肩の上に以前見た事あるような少女がいた様な気がした。遠目で服装も全然違ったので、はっきりと確認はできなかった。

仕方が無いので文具も販売している駄菓子やで用を済ます事にした。
クラスメートが居た。奇妙な動くペンギンのような、一見すると何だかわからない不思議な生き物の形をしたぬいぐるみを抱えて・・・
黄色いリボンで後ろ髪を結んだ彼女は、普段教室ではしないような、豊かな表情・・・もとい嬉々とした表情で動くぬいぐるみの口になにかをほうり込んでいた。
日頃お目にかかれないものに興味を引いたが、ぐえっと謎の鳴き声が聞こえ、なんだだかきな臭い匂いもした。どうやらあまり深く関わり合いにならない方が賢明のようだ。

先日学校で見た不思議な少女が、店主の老婆と談笑していた。
その少女は菓子の入った袋を掲げ、クラスメートの名を呼んだ。
どうやら彼女達は知り合いだったらしい。
呼ばれたクラスメートはばつの悪そうな顔で、悪態を吐きながら少女の手を引いて店から出て行った。

そこで、わたしは文具を購入した。


今日も不思議なもの見た。少し疲れたので公園で一休みすることにした。
缶ジュースを傾け喉を潤す。幼児達が楽しく遊びまわる公園。わたしの視界の先に、見覚えのある面々が居た。クラスメートふたりにあの不思議な少女。
それにしても、一日に二度も同じ顔を見るとは、なかなかどうして、この町も狭いものだ。
遠目に見ても、よく分かるくらい口論を繰り広げているようだった。どうやらあの少女がふたりの口論を治めたらしい。
その後もなにやら、なにやらただぬ雰囲気だった。興味を引くが、この先は見ないことにした。覗き見はあまり誉められた行為ではないからだ。
わたしは彼らを見なかったことにして、残りのジュースを飲み干す、くずかごに缶を放り込みゆっくりとした足取り公園を後にした。


その3へとつづく


あとがきのようなもの
名前は一切出てきませんが、翔子様が登場しました。
彼女の嬉々とした表情には、教室ではなかなかお目にかかれないようです。クラスにあまり友達居なさそうですからね…
次回は…海で遭遇することはなさそうですので、宮内神社になると思います。

2003年9月28日 ふぉうりん
311 Reply 不思議な遭遇を 空理空論 MAIL URL 2003/09/29 02:37
cc6600
鶴ヶ丘町がだんだんと不思議に侵食されていっているようです。
自警団が出てくるやもしれません。
たしかに関わらないほうが賢明でありましょう…。

翔子さんを見てる辺りとかがなんか好きです。
日頃お目にかかれないもの、でありますしねぇ。
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