298 | Reply | 我は名も無き… | ふぉうりん | URL | 2003/09/01 03:02 | |
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わたしは、鶴ヶ丘中学校へ通う生徒。クラスは2年1組。 その1『小人をはじめて見た日』 その日の授業はそれまで平和で平凡だった。 理科の授業。今日は理科室でカエルの解剖だった。 『だった』なのはそれが過ぎた事柄ではなく、予定されていた事柄だったということ。 制服ではない不思議な服を着た少女が現れ、教師に何かを訴えている。どうやらカエルが生きて行く上で仕方なくしてきた罪への弁護…もとい解剖を許してやって欲しいと真剣に訴えていた。教師がそれに耳を傾け解剖の実演をとりやめた。少女はその言葉を聞き、カエルを持ち去ってしまった。この時間の授業はこれからどうなるのだろう… どうやら、謎の少女は何度か目撃されているらしい『かわいかったよなー』とまた少女が現れることを期待するような声も聞こえた。その声を聞いて、顔色が悪くなった男子生徒がひとり。はて? 彼の名はなんといっただろうか? とりわけ目立つわけでもなく、普通や平凡という言葉が似合いの少年だった。 小人を見たような気がした。そして蛍光灯が落下した。それを皮切りに生徒の悲鳴に入り混じりガラスの破砕音やたくさんの大きな音が聞こえてきた。今この学校は大規模なパニックに陥っている。 これが先ほどの小人の仕業だとしたら、なんて物騒な小人なのだろうか、これでは小人に対する子供の夢がぶち壊しだ。少年少女の学び舎たる学校。それを破壊する小人達。悪夢のような光景だ。これではまるで性質の悪いB級ホラーではないか。そう、まるで『水をあげたり』『深夜に餌をあげたり』『強い光をあてたり』してはいけないアレのような… そんな中、血相を変えて、ひとり廊下へ飛び出した男子生徒が居た。パニックになる教室の中を掻き分けて、なにか明確な目的があるかのように、このパニックの中、大したものだ。わたしは机の下に身を潜め、ことをやり過ごすことにした。願うことは天井ごと上のフロアが落下してこないことのみ。 暫くすると、再び小人を見た。今度は壊したもろもろの機材や建物を直そうとしていた。本来小人はこういった『物作り』とか『修復・修繕』といった作業の方が良く似合う。きっと小さい頃に知った童話や御伽話の影響やら先入観のせいだろう。そしてクラスメートが一人足りないままだった。 のこりの授業は急遽、学校規模の大掃除と変更された。なにせあんなことがあった後なので、ガラス片やら、壁や天井の欠片やら、大きなごみやほこりが大量に出てきたからである。あんな衝撃的なことがあった後に、まともに授業が出来るはずもなかった(行う側も受けるもだ) わたしだってこのあとの授業があたまに入るとはとてもじゃないが思えなかった。『普通の人間』なんてそんなものだ。 ホームルーム。生徒が何人か居なくなっていたようだが、特に教師は気に留める様子はなかった。 その2へとつづく あとがきのようなもの ASTさんの「All I Want for Christmas」と路崎さんの『藪の中』を参考に考案した『我は名も無き…』この場を借りて御二方に御礼申し上げます。 平たく言えば、月天の世界に住む鶴ヶ丘中学校に通うの2年1組の普通(?)のいち生徒の視点と比較的常識にのっとった観点で語られていく『再構築?』作品です。彼(もしくは彼女(?))の視界に入らないものは基本的にこの作品には登場しませんので、原作上で第2話にあたる部分からはじまります。途中から原作では学校のシーンが目減りするのでその辺りがこの作品の寿命ではないでしょうか? 先が見えていますが今後ともこのシリーズにお付き合い頂ければ幸いです。 2003年9月1日 ふぉうりん |
299 | Reply | たんたんたん | 空理空論 | URL | 2003/09/02 02:27 | |
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つらつらと、ちょっと淡白に思えました。 ただ、そういう淡白の中にあるからこそ映える部分もあるわけで… 個人的には、 >これでは小人に対する子供の夢がぶち壊しだ という部分がなんか好きです。 いやまぁ、言ってる本人は真面目なんでしょうけど、 解体屋さん(?)も兼ねてる小人さんたちですから、 そこんところは笑ってあげてよ(それも変だ)とか思ったり。 二話目以降も、がんばってください |
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