[129] 授けて 慶幸日天! 第四話 いざ学校(その1)
投稿者名: 汝昴待遇向上委員会 委員長
投稿日時: 2001年5月2日 01時00分
キーンコーンカーンコーン ガラガラガラガラ
太助 「ふぅ、ふぅ、ふぅ」 全力疾走で家から学校までは流石に堪えた。息も絶え絶えだ。太助は自分の机に倒れこむ。 ?? 「おっす太助。今日はデッドラインギリギリだったなぁ」 そう言って親しげに太助に声を掛けて来たのは、野村たかし 太助の友達だ、たかしに言わせてみると「俺達三人は熱い魂の友情で結ばれた、唯一無二の親友だ」である。(三人で唯一無二って・・・最早この時点で無茶苦茶のような気がしないでもないが) たかし「こう、もう少し生活に余裕をもってだなぁ・・・」 いまいち良く解らないたかしの説教が始まった。最終的には熱き魂に辿り着く不思議な論法だ。これが始まると結構長い。太助は息切れものせいあり少々うんざりしていたが、 ?? 「そう言うたかし君も、ついさっき来たばかりじゃないか。太助君の事は笑えないはずだよ」 たかし「うぐっ」 たかしの揚げ足を取りつつ会話に参加して来たのは たかし曰く 「唯一無二の三人目」の 遠藤乎一郎 だ。太助はささやかなピンチ(?)から救ってくれた乎一郎に感謝した。そして、整えた息で開口一番。 太助 「相変わらず良い突っ込みだなぁ、乎一郎。お前ら二人お笑いコンビで何処かに売り出さないか?」 等と太助が軽口を叩いて「またそれかよぉ」とたかしと乎一郎が肩を竦めて苦笑い、そして笑い合う三人。いつものパターンだ。彼ら二人がどれほど今の太助の学生生活の支えになっているだろう。照れくさいので決して口には出さないが、太助は二人深い感謝の念を抱いていた。
たかし「・・・でな、その時俺はこう言ったんだ・・・」 言葉を切り握り拳で立ち上がる。 太助・乎一郎「『そんなことじゃ、俺の熱き魂は揺るがないぜ!!』だろ?(でしょ)」 たかし「のぉ〜。なぜお前ら、これから俺が言おうとした名言を」 たかしは決めゼリフを先に俺達に言われてしまい頭を抱えている。 乎一郎「・・・たかし君、その話もう三回目だよぉ」 うんざりしながら、乎一郎はため息を吐く。 太助 「しかも、聞くたびに話そのものがだんだん大きくなってきてるしな」 太助も苦笑する。 たかし「なんだよ二人して、俺の素晴らしい話は、何回聞いても失われない輝きをを秘めてるんだよ。おとなしく聞いてろ!」 二人は顔を見合わせた。太助は肩をすくめ、乎一郎はため息を吐きながら顔を横に振っている。
ガラガラガラ
担任が入ってきた。 乎一郎「あっ先生来たよ」 たかし「お、そうか。きり−つ!」 学級委員であるたかしがクラスに号令をかける。教室がざわめく。
そうして、2ー1の朝が始まる。
1時間後、七梨家リビング 汝供 崑犇だわ」 ルーアンはリモコンをもてあそびながら独り誰にともなく呟いた。すぐ後をついていくのはイマイチ芸が無いし、それに途中で見つかったら追い返されるだろうから、とりあえず良い子の振りをして(オイ)昨日教えてもらった「テレビ」を興味深々で見てみた。この時間帯はもっぱら奥様向けのワイドショーばかりで、彼女には、はじめて聞く人名と単語が多すぎて、今一つ何を言っているのか分からない。圧倒的にこの時代の知識が不足しているからだ。面白くないのでテレビも消す。本当にやることが無くなった。いまさらながら、こっそり太助の後についていけばよかたかな? と多少の後悔も無きにしもあらずだが、決して手詰まりではない、なぜなら彼女には奥の手があるからだ。 汝供 屬機櫃董△拭射佑漏惺擦箸笋蕕念貘里匹鵑覆海箸魍悗鵑任い襪里しら?」 彼女は懐からコンパクトを取りだす、それを念を込て開くと、 汝供 屬△蕁 あまり真面目に勉強をして無いみたいね」 そこには、授業を上の空で聞いている太助の姿が映し出されていた。太助はルーアンがちゃんと留守番してるか心配で授業に集中できないのだが、当のルーアンは知る余地も無かった。そこで、彼女はある意思と共に立ち上がった。その顔は決意に満ちた凛々しい顔だか、好奇を求める邪悪(?)な笑みだか誰も知る得ることでは無かった。
3時限目も終りを告げる。太助はやはり心配だった。 太助 「さて、どうしたものか・・・」 たかし「どうした太助? 難しい顔してさぁ。腹でも壊したか?」 太助 「いや。心配事があってね」 たかし「心配事ね。あんまり考え込むと。頭か胃に来るぞ?」 太助 「ははは・・・」 たかし「この若さで、そうなるのと人生先行き暗いぞ。こう俺のように何事にも熱き魂で臨むような姿勢がだな、お前には足りない。」 太助 「で、どうしろと?」 たかし「そうだな。これからは俺のことを人生の師匠と仰いでだなぁ・・・」 太助 「却下だ」 たかしの俺を人生の師匠と仰げとの自称高説は2秒経たずに一言の元に却下された たかし「あん? 俺はこれでも心配して言っているつもりなんだが」 太助 「そうなのか? 途中から明らかに話が逸れていたいたような気がしたが」 たかし「そうか? わりと鋭いじゃないか。それなら俺も安心だ」 何が安心なのかはいまいち判らないが、そのままたかしは背中大きく返らし、はっはっはと笑いながら太助の側から離れていった。 太助 「・・・・・」 たかし が何を言いたかったのか、いまいち太助には分からなかった。 乎一郎「一応、たかし君なりに心配でもしてたんじゃないのかなぁ?」 乎一郎はさりげなくこの場に居ない友人のフォローを入れる。 太助 「だったのかな? やっぱり、途中から明らかに違う話になってたけどな」 いまいち確信が無くて半信半疑の太助だったが、乎一郎もそう言っているのならそうなのだろう。 乎一郎「それがたかし君らしいと言えば、その通りなんじゃないのかな?」 太助 「そうだな・・・さてと、乎一郎、次の授業何だっけ?」 乎一郎「たしか・・・生物だったはずだよ。移動教室だからそろそろ行かないと」 太助 「そうか、あの先生遅刻にはわりとうるさいからな」 もっとも遅刻に寛大な教師もあまり居ないのだが、太助と乎一郎は必要な物を持って教室を後にした。乎一郎を談笑しながら生物室へ向かって歩いていると、 太助 「・・・・」 太助は立ち止まった 乎一郎「どうしたの、太助君?」 太助 「スマン乎一郎。これもって先に行ってくれ。俺は後から行くから」 乎一郎「うん。わかったよ」 太助 「サンキューな、乎一郎」 そこはトイレの前だった。乎一郎は生物室に一人向かった。
あと少しで生物室へ着こうとしているところ、廊下の角から、勢いよく何かが飛び出して来た。
ズガッ!
乎一郎は跳ねられた。メガネが吹き飛ぶ、勿論手にしていた教科書も乎一郎の視界が回転する。
?? 「あ゛っ」(汗ジト) 彼女は何かにぶつかった、少年が目の前に倒れている。人を跳ねてしまった、流石にそのまま行ってしまうのはばつが悪いので少年に声を掛ける。 ?? 「ねえ、あなた大丈夫?」 女の人の声がした。どうやら自分の事を心配しているようだ。 乎一郎「大丈夫で・・・って見えない・・・・あっメガネメガネ・・・」 乎一郎は御約束通り、あさっての方向を手探りで探している。 ?? 「これ、あなたのでしょう?」 乎一郎「は、はい。ありがとうございます」 乎一郎は渡された眼鏡をかけると目の前には、見たこともないような美人のお姉さんがそこには居た。
第5話へ続く
どうも、皆様ご無沙汰です。汝饗垓向上委員会委員長です。 ルー姉さんは今回控え目です。彼女の大暴れを期待した方ごめんなさい。 ようやく、第四話が終った(?)みたいです。まだこの話はまだ引きます。ネタ自体は結構纏まっているのでもしかしたら近日中に第5話が仕上がるかもしれません。期待しないで、待っててくっださい。 最後に乎一郎君が対面した女性は誰だかバレバレですが(苦笑) それにしても、たかしと乎一郎活躍してますね。しかも書き易い、なんて筆者思いの子達だろう(笑)
では、第5話で再会しましょう! |
|