[83] 授けて慶幸日天! 第三話 「学校ってなあに?」
投稿者名: 汝昴待遇向上委員会
投稿日時: 2001年3月18日 02時55分
まぶたが開かれる、意識に光が灯る、見なれた天井が目に入った。太助はベットの上に居た。 (あれ? 俺、昨日はベットの上で寝てたっけ?) 幾ら記憶を探ってみてもベットの上まで上がった記憶が無かった。昨日の事? と思われる、あまりにも非現実的な出来事の数々を目を瞑って思いだし振りかえる。黒天筒という筒から出て来た太陽の精霊。命を吹き込まれた湯のみ。そして・・・・ 何から何までとは言わないが、自分にとってとても都合の良い事が起きた。 太助「やっぱり夢・・・だったのか?」 太助は一人呟く。この場で一人考えていても仕方がないので、事実を確かめようと一階のリビングへ向かった。 階段を下る足取りはゆっくりで、響く足音は少し重たかった。昨日の出来事は夢では無いと確信はあったが、もしもこの家自分意外に誰も居なかったらと思うと、少し不安になった。不安と心の揺らぎが太助の足を自然と重くしていった。 カチャ
リビングのドアが開く 太助「おはよう・・・・」 静まり返ったリビングに空しく太助の声が響く。
誰も居ない・・・・
そんなはずは無いと、慌て気味に他の部屋を探しはじめる太助。しかしこの家のどの部屋にも彼女の姿は無かった。やはり夢だったのか? もしもそうだとしたら、なんて突拍子の無い夢だったのだろう? 自分は疲れているのか? それとも・・・・ 太助は悲観的(あるいは病的)な考えと恐怖に徐々に支配されて行く自分自身を抑える事が出来なかった。自分は現実と夢の区別が付かないような、おかしな人間になりかけているのだろうか。リビングに力なく座り込み首をだらりと垂らし、うなだれていると。
ガチャ
汝供屬拭射諭おはよう。あら? そんな顔して何かあったの?」 太助は声のした方を向き直り、昨日の事が決して自分の作り上げた妄想の産物では無い事を改めて知る。勝手口から現れた彼女は太助からは逆光の位置に居て、外との明度の差をまるで後光の様に背負っていた。その姿は神々しくも見ることも出来た。 太助「・・・夢じゃないんだよな」 太助は力なく呟きながら、右手で軽く目を覆い、外の光のまぶしさに目を細める。太助自身無意識でその動きを行ったつもりだが、もしかしたら心の何処かで今の顔をル−アンに見られたくないと思っていたのかも知れない。 汝供峅燭言った? たー様?」 太助はパジャマの袖で目元を軽くこすり、務めて明るく振舞った。 太助「おはようルーアン。なんでもないよ。ただ、あくびが出ただけだよ。」 ルーアンは何かあったと、直感で理解したが本人が「なんでもない」と言っているならと、あえて追求はしなかったが、かわりに 汝供屐ΑΑΔ修Αじゃあ朝なんだからそんな寝ぼけた顔してないで、シャキっとなさいよ」 とはっぱを掛けた。太助はこれはバレてるなぁと内心苦笑しつつも、自分の強がりを優しく受け入れてくれたルーアンに感謝の念を抱いた。 しばらくして二人でお茶をすすりながら、平静を取り戻した太助はふと疑問に思ったことを口にした。 太助「なあ、ルーアン」 汝供屬覆砲しら?」 太助「さっき、外で何をして・・・」 太助は言葉半分で視界に時計が入った。
8時15分
※普通中学校のリミットは8時30分です
太助「げっ、ヤバイ!!」 ガタリと椅子を派手に蹴倒しながら勢いよく立ちあがり、ダッシュで自室まで戻り、大急ぎ身支度を整える太助。(そりゃ今までパジャマだったからね)ちゃっかり太助の後に着いて部屋までくっついて来るルーアン。パジャマを盛大に脱ぎ捨てつつ、ワイシャツに袖を通す太助。その様子をじーっと見ているルーアン(手伝ってやれよ)二人の目が合う。 太助「のわっ! なんでここに居る!?」 慌てる太助。 汝供屬─ だって一緒に入って来たわよ」 それに対してルーアンはしれっと答えた。 太助「じゃあ出てくれ! 今すぐ」 汝供屬いい犬磴覆ぁ8困襪發鵑犬稾気い掘 口を尖らせながら、無茶な抗議の声を上げるルーアン。 太助「減らなくても良くない!! いいから出てけ! 俺は微妙な年頃なんだ!」(自分で言うなよ) 大声を出して無理やり部屋から追い出す太助。ルーアンはしょうがないのでドア越しに言葉を掛ける。 汝供屬佑─△拭射諭2燭鬚修鵑覆傍泙い任い襪痢」 太助「学校」 ワイシャツのボタンをとめながら、口早に答える。ドアは閉まっているのでルーアンには見えないが。 汝供岾惺擦辰討覆△法」 ズルッとこけそうになるのを堪える。こんな所で時間を無駄に浪費する訳にはいかないのだ。 太助「勉強を教えてくれる所だよ」 ルーアンは俯き加減で顎にてをやり数秒思考を巡らす。 汝供屬奸爾鵝この時代の私塾みたいなものね?」 「勉強を教える」をキーワードにして、彼女なりの解釈をした。 太助「うーん。ちょっと、違うけど・・・」 喋りながらも手は決して休ませない。細かい説明をしている時間は太助には残されてはいなかった。 汝供屬犬磴◆△匹Δ靴討修鵑覆傍泙い任い襪痢」 そんな事は、お構いなしにルーアンは太助に次の質問を投げかける。 太助「遅刻しそうだから」 汝供崔拗錙」 太助「遅刻したら俺が困る。説明終り! 兎に角行ってくるから。留守番よろしくな」 支度の済んだ太助は、言うが早いとばかりにドアを勢いよく開け、ドタドタと階段を駆け下りて学校に向かって走って行った。 取り残されたルーアンは。 汝供嵶閏虍屬辰討福爾法 なんて世の中の通りを知らないポケポケさんではないので、そういうボケはしないけど(えらい挑戦的だなぁ)・・・誰も、いいわよ。なぁんて一言もいってはいなくてよ」 肩を軽く竦めながら、意地の悪い笑いを浮かべるルーアンだった。その言葉と同刻に家を飛び出したばかりの太助は外との温度差ではない寒気に襲われていた。
第四話へと続く
どうも、投稿としては一月ぶりのご無沙汰の汝饗垓向上委員会です。 まあ、こんな感じです。 いかがなもんでしょうか? (なんだか、期待されてるみたいなので非難の声が飛んで来ないかとビクビクしてます) あら? 今回原作第2話の最初の2ぺージしかパクッてないわ(苦笑)と思ったら、アニメ版の第1話も少しパクッてたらしいです(無意識) (それってあんまり変わって無いじゃんなんてツッコミはナシよ) 太助君が微妙に心の弱い子(いや、打たれ弱いか)になっているような気が・・・・不味いなぁ。 第四話は学校編です。 お楽しみになんて、おこがましくて言えません(爆)
では、今回はこれにて〜
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