スレッド No.60


[60] パラレルワールド日記(In Kanon all)
投稿者名: グE
投稿日時: 2001年2月16日 23時59分
            『不法侵入から始まる物語?』

あたしたちが扉を開けると、台所にいた。
目の前にはおいしそうな朝食らしきものが並んでいる。
「おい、キリュウいただこうぜ。」
「いいのか?翔子殿?」
「大丈夫だって、食べても。きっとここの異次元の人があたしたちのためを
おもって準備してくれたものだろうし。」
「…そんなはず無いとおもうが。」
「じゃあ何で準備だけしてあって誰もいないんだ?」
「そういわれると困るが…。」
全くキリュウは心配性だなぁ。
今まで一度だって、いきなり他人の家に来たことあったか?
「あのなぁ名雪、洗面台でおぼれるのっておまえくらいなもんだぞ。」
「そんなことないよ。みんな長い人生の中で一回は経験するよ。
祐一も一回くらいあるんじゃない?」
「あるか、んなもん!」
話し声が聞こえてきた。
…どうやら今回は他人の家にいきなり来たみたいだな。
おいおい、今までに無いパターン…って感心している場合じゃない!
「おい、キリュウどうする!」
「どうするもこうするも…。」
「あ、そうだ万象大乱!」
あたしはそういってキリュウをせかす。
しかし…。
がちゃ。
…おそかった、あちゃ〜。


全く名雪にも困ったもんだな。
我がいとこながらそうおもう。
たまの日曜くらいオレはゆっくり寝たかったのだが、
名雪の部屋の目覚ましのせいで、ゆっくり寝てもいられない。
仕方なくおきて、朝食を取ろうと下に下りていったら、
さっき下にいったはずの名雪の姿が食堂に見えなくて、
どうしたのかと思ったらまさか洗面台で寝ているとは。

ぼやきながらオレが扉を開けると、そこには、見知らぬ女の子二人がいた。
一人は青い髪をして、
髪を後ろでリボンで束ねている少女
髪の毛は肩ほどまである。

もう一人の女の子は、オレンジ色の髪をした
前髪を、胸の辺りまで伸ばし、後ろ髪は
背中の半分くらいまであり、手には扇らしきものを持っている。
顔が真っ赤だ。

ちなみに背丈からふたりとも中学生ぐらいのような気がする。
(とはいっても、あゆみたいなのがいるから分かりはしないけど。)

「何しているんだ、人の家で?」
とりあえずオレは聞いてみた。
「いや、あたしたちは…、その…。」
なんなんだろう、この少女たちは。
「あ、祐一、あたし思い出した…
なんか昨日おかあさんが明日辺り女の子二人がくるからよろしくね、
っていってた。」
後から来た名雪がそういった。
「まじか?」
「うん、おおまじだよ。」
「秋子さんの知り合いなのか?」
「さあ?そういうことは聞いてないけど」
多分、知り合いの女の子だろうとは思うんだが…、
チャイムも鳴らさずに家の中に勝手に上がりこんでくるなんて、
行儀が悪いにも程があるぞ。
後でびしっと言ってやんないとな。
「せめて秋子さんから名前くらいきいてるだろ?」
とりあえず、その子たちがどうか確認しよう。
「ううん、きいてないよ。」
名雪は一旦そういった後、
「でもね…、もう少しでおかあさん、ごみ捨てから
帰ってくると思うから安心していいよ。
日曜のこの時間はごみ捨てにいっていると思うから。」
時計を見ながら名雪はそう付け加えた。
「ただいま。」
「あ、お母さん。
昨日くるっていってた人この人達?」
「え?」
そういって、秋子さんが台所に入り
しばらく二人の顔を見た後、こう言った。
「そうそうこの人たちよ。」


「そうそうこの人たちよ。」
あたしたちじゃまずないと思うんだけど
とりあえずこの際いいや。
(けど、名雪って女の子、声といい雰囲気といい
ほんとにシャオに似ているよなあ。
(特に声が))
「じゃあ、とりあえず自己紹介でもしましょうか。
わたしは、水瀬秋子。名雪の母です。」
改めてそういわれて、
母親だということに驚いた。
どう見ても、この人は二十代前半にしか見えないぞ。
「ちょ、ちょっと秋子さん、自己紹介ってどういうことです?
秋子さんの知り合いの人じゃないんですか?」
祐一と呼ばれたやつが秋子さんに聞いた。
そりゃ、不思議がるよな、普通。
(けどいったいどういうことだ?秋子さんは私たちを誰か
と勘違いしているわけでもないようだぞ?)
「ああ、とりあえず、です祐一さん。」
その祐一って人に秋子さんは笑顔でそう答える。
「じゃ、次はあたしね。あたしは、水瀬名雪。
祐一のいとこだよ」
「…オレは相沢祐一、名雪のいとこだ。」
名雪って子は笑顔で、相沢は何か釈然としない顔でそう答えた。
名雪って娘は、さっきも言ったが、雰囲気といい、声といい、
シャオって感じだなぁ。ほんとに。
一方相沢ってやつは、
どこにでもいそうな感じのする男だ。
特に格好言いということも無い。
「あたしは山野辺翔子」
「*…私は…キリュウ。」
ボソッとした声でキリュウがいった。
「…キリュウちゃん、お顔がずいぶん赤いみたいだけどどうかしたの?」
キリュウの挨拶の後に秋子さんがキリュウに声をかけた。
…思ってみりゃ、キリュウがこんな展開で顔が真っ赤になっていないはずないよな。
「大丈夫だ*…、秋子殿」
キリュウはかろうじてそういった。
「あれ?そういえば、真琴は?」
しばらくして名雪って娘が自己紹介を終えた後に言った。
へぇまだだれかいるのか。
「ゆーーーーーいちーーーーーーーーーーー!!!!」
タイミングを計ったかのように
どたどたとまた女の子が降りてきた。
オレンジ色の髪をした、背格好の低い
女の子。
背のころから見ると、歳はあたしたちと同じくらい。
「お、真琴どこいってたんだ?」
「どこいってたんじゃないでしょ。
真琴を閉じ込めといて!」
「おまえを閉じ込めた覚えは無いぞ。
…ただオレは昨日の晩、たんすの前に部屋にあるものを集めただけだ。」
少し意地の悪い笑顔で、相沢はそういった。
「あぅ〜。」
…その会話を聞いてなんとなく自体が読み込めた。
なるほど、悪戯に失敗したんだな。
この真琴って子は。
やるならあたしみたいにもうちょっとうまくやらないとな。
(なーんてね。)
「あれ?この人たちは?」
「ああ、秋子さんの知りあいらしい。」
「ふーん。」
「ほら、真琴も挨拶しなさい。」
「はじめまして、沢渡真琴です。」
ペコリ、とその少女は頭を下げた。
「記憶をなくしたみたいで、一時家で預かっている子なの」
真琴って子の自己紹介の後に、
名雪が説明を加える。
へぇ…、記憶喪失ねえ。


「朝食いっしょにどうです?」
自己紹介がおわり秋子殿にそういわれた。
「いや、私たちは。」
別にいい、といおうとしたとき、
「じゃあ頂きます。」
翔子殿がそういった。
「翔子殿?」
そういう私にどうせならいただいとこうぜ、
と目で合図をしてきた。
…しょうがない。頂くことにしよう。

私は秋子殿が作った朝食を頂くことにした。
…うむ、おいしい。
秋子殿の料理は、
シャオ殿の料理に引けを取っていない。
私は食事をとりながら秋子殿の方を見た。
なぜそう思ったのかは分からぬが。
とりあえず、第一印象からして、
この人間は普通の人間とは違う人のような気がした。
雰囲気からいうと、さゆり殿に近いような気もするが、
さゆり殿とは違う何かを感じる。
まるですべてを見透かしているような。
「翔子ちゃんにキリュウちゃん、ちょっとお願いがあるんですけど、
後で祐一さんと真琴と一緒にお買い物に行ってくれませんか?」
そんなことを考えていると、いきなり秋子殿にそういわれた。
「あ、ああ、わかった…別にいいよな、翔子殿」
「あ、ああ。」
翔子殿は頷いた。
「真琴もいいよ。」
「分かりました秋子さん。」
それに続いて、真琴殿、相沢殿が頷く。
「それじゃよろしくお願いしますね。」
秋子殿は笑顔でそういった。
私たちは朝食を終え、外に行った。


「翔子ちゃんにキリュウちゃん、ちょっとお願いがあるんですけど、
後で祐一さんと真琴と一緒にお買い物に行ってくれませんか?」
秋子さんのその言葉によって、真琴と…、今日あらたに知り合った変な二人と一緒に
買い物に行くことになった。
(なあ、おれはなんでこうも変な知り合いが多いんだ?)
心の中でそう思ったが口に出さないでおく。
たぶん、四人で買い物に行くことになったのは、
仲良くなるようにするための秋子さんなりの配慮なんだろうと思う。
そういや、いうべきことはいっときゃなかな。
「何で今日家に入ってくるときに挨拶くらいしなかったんだ?」
オレはあの二人に聞いてみた。
「すまぬ、挨拶しようにも…できなかった…もので…な。」
顔を真っ赤にしてキリュウが答えた。
「挨拶くらい出来るんじゃないか?」
その問いに二人は無言だった。
案外反省しているのかもしれない。
とりあえず歩きながら秋子さんに頼まれたものを確認する。
え・・・と、なになに
にんじん6本に、イチゴ3箱
卵2パックに、肉1kg
ジャガイモ一袋に…
…結構多いな。
今いったものの下にもまだまだ続いている。
…コリャ二人づつくらいで、役割分担した方がいいかもしれない。
「ちょっと提案があるんだが聞いてくれないか?」
オレはそういって全員を見渡す*
「買うものがちょっと多いんで2人づつ役割分担したいんだ。…いいか?」
「ああ、いいぜ。」
「いいよ。」
「別にかまわぬが。」
とりあえず、了承は得られた。
「ところでどうやってグループ分けするんだ?」
「とりあえず、コイン投げで決めよう。」
それぞれが、10円玉を持ち、
コインを投げる。
その結果。
オレと、翔子のペアと、真琴とキリュウのペアになった。
「真琴、道ちゃんと分かるよな。」
「うん、大丈夫だよ、祐一。」
「かったら、商店街の入り口のところで
このお姉ちゃんと一緒に待ってるんだぞ。」
「子ども扱いしなくても分かるわよ。」
真琴が相変わらずの憎まれ口をたたく。
しばらく歩いて、商店街の入り口に着いた。
よし、早いとこ買い物済ませてしまうか。


Kanon all(全年齢対象版)でパラレルワールド、です。
続き・・・ひょっとしたら投稿しないので、
はは・・・。
(投稿するとしたら二月中)
(この作品が出来た理由が
Looking for が破綻したから
だというのが情けない…。)(もうだめだね、おれは。)(核爆)
(注:Kanonでも
Kanon allでも全くといっていいほど違いはありません)

[61] ぬ!?
投稿者名: たけ (ホームページ)
投稿日時: 2001年2月18日 22時14分
うぬう・・・こっちもKanonでやろうかと考えてたけど、先を越されたか・・・
なにはともあれ、やはり秋子さん、全てを知る者ですな(謎)
翔子サイドと祐一サイドで話が展開していくのも面白いですね。

なにはともあれ続きは気長にお待ち致しております〜

[62] うおおお!!
投稿者名: 空理空論 (ホームページ)
投稿日時: 2001年2月19日 17時06分
まず第一印象。
読んでて非常に楽しい!!です。
対面の様子といい、祐一の態度といい、上手いっす。
それにしても秋子さん、あなたは一体何者なんだー!!
(もはや予知能力とかも超えてる気がする)
洗面所で寝てたというなゆちゃんが凄く笑えました。

> (この作品が出来た理由が
> Looking for が破綻したから
> だというのが情けない…。)(もうだめだね、おれは。)(核爆)
は、破綻っすか・・・。(残念)
もしもまた書こうという気になったら是非。
そういえば私自身も短編をかなりほったらかし・・・。

ともかくこの話の続き、楽しみに待ってます♪

[63] 一言
投稿者名: グE
投稿日時: 2001年2月20日 00時05分
お二方とも感想ありがとうございます。
たけさん…*遠慮せず書いちゃってください。
別に先を越された…*とか考えずに。
空理さん、Looking forは…*機会があればまた書こうと思います。
では。

[64] 面白いっす
投稿者名: ふぉうりん (ホームページ)
投稿日時: 2001年2月20日 23時28分
笑わせてもらいました。

ていうか秋子さんが凄いですね。
やはりあの人は・・・・

やっぱり名雪とシャオリンの声はよく似てますね(笑)

>(なあ、おれはなんでこうも変な知り合いが多いんだ?)
多分そういうのを呼び寄せるのが祐一君の才能・・・・
と思う今日この頃の私。

[75] 続きは…。
投稿者名: グE
投稿日時: 2001年3月1日 00時45分
3月中旬に全部まとめて作品展に送ろうと思っていますので、
よろしかったら読んでください。
では。

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