[134] 未来日記 第1話 父親は14歳
投稿者名: 須坂稔 (ホームページ)
投稿日時: 2001年5月5日 13時43分
未来日記 第1話 父親は14歳
その日、太助と那奈は自宅の居間で2人でお茶を飲んでいた。とその時、玄関のベルが鳴ったので、太助は玄関のドアを開ける。そこにいたのは父、太郎助だった。さらに、太郎助の他にも30ぐらいの青年と1人の女の子がいた。 「何の用だよ、親父。」 と聞く太助に、 「ここは俺の家でもあるんだぞ。」 とぼやく太郎助。 「そんなことより、今おまえ1人か、太助。」 「いや、姉貴もいるけど。」 「そうか、なら好都合だな。」 「いったい何なんだよ、親父。」 「悪いが太助、ちょっとつきあってくれ。那奈も連れてな。」 その言葉に太助は那奈を連れて玄関に戻る。 「で、何の用だよ。」 と那奈が聞く。 「そうだな、ここじゃ何だから。場所を変えよう。」 と太郎助がいう。
そして歩くこと約30分。5人はとある喫茶店にいた。 「いったい何がしたいんだよ、人をこんなところまで連れてきて。」 と太助が文句を言う。 「じゃあ本題にはいるか。」 と言うと太郎助の顔が真剣そのものになる。 「2人とも、これから俺が話すことは信じられないかもしれないが、本当のことだ。」 と前置きする。 「こいつは未来のお前なんだ。それで・・・」 「ちょっと待て、親父。」 「何だ。」 「いきなりそんなこと言われても信じられるか、普通。」 と文句を言う太助。 「それはそうだな。ならば、おまえしか知らないことをばらそう。確かあれは小5の夏休みだったな・・・」 と未来の太助が話し始めると、太助の顔色が変わる。 「みんなで海に行ったときお前は・・・」 「信じる。信じるからそれ以上はやめてくれ。」 とここが喫茶店なのを忘れて叫ぶ太助。 「なら結構。じゃあ続けてくれ、親父。」 「あ、ああ。」 と言いながら続きを話す太郎助。 「さっきも言ったとおりこいつは未来のお前だ。それで、この女の子はこいつの娘、つまりお前の未来の娘になるわけだ。」 「それは分かったけど、何で未来の太助たちがここにいるんだ。」 と那奈が聞く。 「それは俺が説明するよ。」 と未来太助が言う。 「俺は一那、娘の名前だけど、と2人で博物館に行っていたんだが、地震が起こって天井が崩れ落ちて、意識を失って気がついたらここに来ていたんだ。」 「はあ。」 「で、これから親父と元に戻る方法を探そうと思うんだけど、その間一那を預かっていてくれないか。」 「ああ、いいぜ。お前もいいよな。」 と未来太助の頼みにあっさりと承諾する那奈。もっとも彼女の本心は、 (こいつが将来どうなるかをわかるしな。) などと考えていたりする。 「まあ、別にいいぜ。」 どうせ反対しても無駄だと思ったのか、なげやりに答える太助。 「よし、じゃあ決まりだな。一那、しばらくの間いい子にしているんだぞ。」 「はい。」 と答える一那。 「よし、じゃあ行くか。金はここに置いておくからな。」 そう言うと太郎助達は立ち上がり喫茶店から出ていこうとする。が、未来太助が1度立ち止まり太助達の方に振り向くと、 「そうそう、1つ言い忘れていたけどこいつに未来のこと聞いても無駄だからな、姉貴。どういう訳か未来のことは喋れないみたいだから。」 と言って太郎助と去っていった。 「そうか、残念だな。」 と那奈は太助や一那に聞こえないような小さな声でつぶやく。 「それより姉貴、こいつのことどうやって紹介するん。まさか未来から来た娘なんて言えるわけないし・・・」 「そんなの親戚とでも紹介しておけばいいだろ。お前もそれでいいよな、えっと・・・」 「一那だよ。七梨一那。あたしもそれでいいよ、おばちゃん。」 その一那の一言に、 「おばちゃん。いや、事実なんだけどさ・・・」 と1人つぶやく那奈。 「じゃあ行くか。」 その太助の一言に3人は喫茶店を出た。
未来日記 第1話 父親は14歳 完 未来日記 第2話へ続く
<後書き> 今回からペンネームの須坂稔(すざか・じん)という名で投稿させていただきます。 僕の正体はメールアドレスとかを見れば分かると思うのでので省略。(おい。)
自己紹介はここまでにして話の紹介の方に移りましょう。 未来から太助の娘なんかが出てきたら面白いな、というのが動機です。(相変わらずいい加減) だから今後の予定など全く考えていません。 こんないい加減な話ですが、最後までつきあってくれたら幸いです。 最後に一那ちゃんのプロフィールを書いて終わりにしておきましょう。 それじゃあ、また。
<七梨一那プロフィール> 名前:七梨一那(しちり・いちな) 年齢:9歳 誕生日:1月4日(別にいいじゃないですか。) 血液型:O 備考:太助の娘。(母親は秘密) 性格は父親に似て優しくて素直。 容姿はどっちかというと太助似。 |
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