[169] 魔女っ子 しゃおりん 第二話
投稿者名: ふぉうりん (ホームページ)
投稿日時: 2001年6月27日 02時00分
暴走短編 魔女っ子しゃおりん 第二話(つーか続いてしまった・・・)
私の名前は、天野 小夜(あまの さよ)前髪を前に垂らした鶴ヶ丘中学校に通う中学生。クラスは2年1組。正直皆さんにまたお会い出来るとは思っていませんでした。だって、一回切りだって聞いてたし。この前まで、はどこにでもいる(?)普通の中学生だったのに、あの日を境に私は無理やり『魔法少女』にされてしまいました(悲)今日も恋に勉強に友情、おまけに人助けに大忙しです。
虎賁「オイコラ! 小夜ねえちゃん。一番大事なお役目を「おまけ」にするなんて「魔法少女」の風上にも置けないような事、言うなよ」 離珠「そうでし、ひどいでし。離珠達の運命は小夜しゃんに掛かってるんでしからね。もう少し頑張って欲しいでし」 小夜「だって私だって好きでやってるんじゃないもん」 虎賁「でも「支天輪」の力がなかったら、今ごろあの坊主は無事じゃなかったかも知れなんだぞ」 小夜「そ、それは・・・・」 虎賁「でもな、小夜ねえちゃん。あの坊主がねえちゃんが変身した「しゃおりん」に惚れちまったっていうのが気に入らないなら・・・」 離珠「虎賁しゃん、それは言っちゃいけないことでし」 小夜、無言でゆらりと虎賁の後ろに立つ。虎賁は気が付かない。 虎賁「いっそのこと・・・」
表現不能な音が聞こえる
虎賁沈黙
離珠「あわわわわわ・・・は、早く本編に行くでしよ!」
その日は翔子さんと遊んでいました。翔子さんはすこし男の子みたいな所があって、七梨君曰く「あれは生まれてくる性別を間違ったヤツ」だそうです。私はそこまでとは思ってないのになぁ、翔子さんはとっても可愛くて素敵で魅力的な人なのに・・・ 小夜「今日はどこに行くんですか?」 翔子「面白いところだよ」 小夜「面白いところですか?」 翔子「ああ、そうだよ。普段の小夜なら、絶対行きそうにないような所だよ」 小夜「??」 翔子「まあ、ついてくればわかるよ。それまでのお楽しみってところだね」 そういって翔子さんは悪戯っぽく笑いました。同性の私から見ても彼女のその笑顔は可愛く見えます。私には出来ない顔なのでとても羨ましいです。そして行き着いた先は、
そこは建設中のビルの建設場でした。 小夜「建設場?」 翔子「そう、建設場だよ。今日は工事やってない日なんだよな」 そういってニヤリと笑いました。私は嫌な予感がしました。 小夜「まさか、ここに入るの?」 彼女の笑顔が私の言葉を肯定していました。 翔子「当たりだよ。ほら、あたしは今日は動き易い格好して出て来いって言ったよな?」 確かに今日は、翔子さんには「家を出てくる時には、動き易い格好で来いよ」と言われました。 小夜「ええ、これが目的なの?」 翔子「そう。ここの上からの景色がな絶品なんだよ」 どこかで聞いたような台詞廻しでした。私は物凄く嫌な予感がしましたが、おそるおそる聞いてみました。 小夜「翔子さん。もしかしてそれは私の誕生日が近いからですか?」 翔子「え? なんでわかったの?」 言ってはいけない事を言ってしまいました。私は口に出してから後悔しましす、非常に気不味い雰囲気になってしまいましたが、しかし、翔子さんには申し訳ないけど、言わなくてはいけません。 小夜「実はこの前、七梨君が・・・・」 適当に「事件」の事を伏せつつ話ました。翔子さんはとてもショックを受けてこう言ってました。
翔子「あたしって、七梨と思考パターンが同じだったのか・・・・」
その時のこの世の終りのような顔をした翔子さんの姿は多分二度と見れそうに無いので一生忘れません(オイ)
翔子「こなったら自棄(ヤケ)だ。なにがなんでも小夜に景色を見せてやる!」 なぜだか解りませんが、翔子さんの闘志に火を付けてしまったようです。 小夜「・・・はい」 やっぱり私には拒否権はないらしいです。私って立場(?)が弱いの? 虎賁「小夜ねえちゃんの周りには、面白いやつが多いんだなぁ」 離珠「賑やかでいいでしね」 今日は帽子は被ってないので、鞄の中に居る彼らがざわめきます。でもね、振り回されるのはいつも私なのよ。等と心の中で泣き言を言いました。
足場の少ない危険な場所を翔子さんは進みます。私は翔子さんが足を滑らせないか、びくびくしながら見守ります。
翔子「大丈夫だって、あたしはそんなドジを踏んだりはしないよ」 などと、カラカラと笑う翔子さん、しかし油断は大敵です。案の定翔子さんは足を滑らせて鉄筋の足場からぶら下がる格好になってしましました。 小夜「翔子さん。待っててくだしね。今助け呼んで来ます!」 我ながら白々しいです。しかし、ここまでこの前と同じパターンになろうとは・・・・
『来来 軒轅! と、ついでに女御!』
なんか余裕あるなぁ・・・・と、どこからか聞こえて来た突込みの声を無視して、私は「しゃおりん」に変身し、軒轅に乗って翔子さんを助けます。
しゃ「大丈夫ですか? お怪我はありませんか?」 翔子「ああ、ありがとう。おかげで助かったよ」 しゃ「いえいえ、無事でなによりです。それでは私はこれで」 とっととこの場を後にして、早く小夜に戻らなくては、翔子さんに怪しまれます。一人二役は大変です。 翔子「おい、まてよ。・・・・小夜」 ギクッ! 私の時が止まりました。 しゃ「小夜? それは誰のことですか? 私はしゃおりんですよ」 私は必死になって誤魔化し通そうとしましたが、 翔子「とぼけても無駄だよ。そんな化粧と前髪上げたくらいでこのあたしの目が誤魔化せる思ってたのかい? あたしもみくびられたもんだね」 ここまで言われてしまったら、もう降参です。その時の翔子さんは勝ち誇った笑いをしていました。しかし、これほど簡単に見破られてしまうとは・・・彼女には一生勝てないかも知れない・・・そんな思いが私に過りました。 翔子「だいたいさあ、前髪上げた位で見間違えると思ってたかい? そもそもあたしとあんたの付き合いの長さを考えりゃ、普通はばれるて思うだろ? 小夜だって解らないヤツが居たら、そいつの目は節穴だな」 そこまで言い切って、愉快そうに笑います。 小夜「・・・そうですか。七梨君の目は節穴だったんですね」 誰にとも無く呟きました。 翔子「え? 七梨の前でもその格好したのか? それで、七梨にはバレなかったんだ。ぶわっはっはっは! 七梨の目は節穴だな!」
太助「へーくしょん! 誰か俺の噂でもしてるのか?」 ええ、そうですとも。ただし滅茶苦茶悪い噂ですけどね(笑)
私は本当の事を話すべく、翔子さんと一度家に戻ることにしました。事情を言い出せないでいる私を、翔子さんは責める訳でもなく、ただ楽しそうな顔をしてました。 小夜「翔子さん。怒ったりしないんですか?」 翔子「なんでさ? だってこれからキチンと説明してくるんだろ?」 小夜「そうですけど・・・その、私、隠し事をしてたんですよ」 翔子「誰にでも隠し事の一つや二つあるもんだろ? それも特殊な事情とくれば話し辛いだろうしね、あたしとしては、小夜から本当の事が聞けるのが嬉しいね」 虎賁「ねえちゃん。良いヤツだな」 鞄に中に居た虎賁が会話に参加してきました。 翔子「ん? 今の声は?」 虎賁「ここだよ。小夜ねえちゃんの鞄だよ」 小夜「虎賁!」 翔子「ぬいぐるみ? じゃないよな、喋ってるしな。さっきの『軒轅』とかいう龍を見せられた後になら、なにが来ても驚かないよ」 翔子さんの言うことも、もっともだった。 虎賁「オイラの名前は虎賁、で、こっちが離珠だ。よろしくな」 離珠「どうぞ、よろしくでし」 離珠もペコリと可愛くおじぎをします。 翔子「あたしの名前は山野辺翔子だ。こちらこそよろしくな」 虎賁「ああ、知ってるよ。小夜ねえちゃんが教えてくれたからな」 翔子「で、虎賁に離珠、聞いていいかい?」 虎賁「なんだい?」 離珠「なんでしか?」 翔子「小夜は一体あんた達に、あたしをどういう風に説明したんだい?」 小夜「翔子さん!!」 私は声を荒げます。 翔子「いやあ、あたしとしては、小夜はどういう風にあたしの事を人に紹介するのかなぁって少し、気になってね」 いくら気になったからって、わざわざ私の居る前で聞かなくてもいいのに、それとも、私を困らせて楽しんでるの? と、余計な邪推までしてしまいます。 小夜「親友ですよ」 当然のように私は言いました。翔子さんは一瞬照れくさそうな顔をしてました。 虎賁「でも、「つわもの」とも言ってたぜ」 虎賁の余計な一言で、全てがぶち壊しです。 翔子「ほう」 翔子さんの声音が少し厳しくなったような気がするのは、私の気のせいでしょうか。多分気のせいでしょう。いや、むしろ気のせいと思いたかったです。
そんなやりとりをしているうちに、私の家に着きました。
玄関の扉には鍵は掛かっていませんでした。今日もお母さんが家に居るからです。
小夜「ただいま」 翔子「おじゃましま〜す」 美弥乃「御帰り、小夜、いらっしゃい、翔子ちゃん。ゆっくりしていくといい」 お母さんが笑顔で迎えてくれます。 小夜「お母さん、実は・・・」 私が顔を曇らせていると、お母さんは察してくれたらしく、 美弥乃「・・・そうか。・・・・いつまでも玄関にいることはないだろう? お茶の準備をするからリビングででもくつろいでいていくれ」
ここはリビング、テーブルにはお母さんの煎れてくれたお茶が湯気を立てています。そしてお母さんが一言、 美弥乃「小夜・・・ばれたな?」 小夜「・・・はい」 私は正直に答えました。お母さんは怒る訳でもなく、少し肩を竦めて軽い溜息を吐きました。 美弥乃「ならば仕方が無い。南極寿星。翔子ちゃんにも説明してやってくれ」 お母さんの言葉を聞いて南極寿星が現れました。 翔子「あっ、爺のぬいぐるみが空飛んでる!」
そして、空飛ぶ爺・・もとい南極寿星の説明が始まりました。
南極寿星「・・・・・と、いうわけで、わしらはこの家に居候させてもらっている訳じゃ。翔子殿お主もわしらのことはくれぐれも他の者には喋らないで欲しい」 翔子「ああ、わかったよ。約束する。しかし、水臭いよな、こんなに面白そうなヤツらが来てるのに教えてくれないなんてさ」 翔子さんは仲間はずれのされたことに対して少し不満気味だったみたいです。 美弥乃「済まないな、翔子ちゃん。私が小夜に口止めをしたんだ。文句なら私が受けよう」 翔子「べつに・・・いまさらいいですよ。こうして教えてもらえたし、ところで小夜。その『支天輪』って一体なにが出来るんだ?」 小夜「えーっと」 私が言い淀(よど)んでいると、 離珠「星神しゃんが呼べるでしよ」 離珠がフォローを入れてくれました。 小夜「そうです。さっきの『軒轅』も支天輪から呼び出された星神なんですよ」 翔子「へぇ。あたしにも出来るのかい?」 それは私も気になりました。 小夜「どうなの?」 虎賁「ああ、出来るぜ」 翔子「ホントか!?」 翔子さんは目を輝かせて喜びました。その瞬間、私に悪戯心が芽生えました。 小夜「いいですか? 翔子さん。私のいう通りにしてくださいね」 翔子「ああ」 翔子さんが『支天輪』を構えます。なかなか様になってます。 小夜「天明らかにして、星来れ」 翔子「天明らかにして、星来れ」 翔子さんが私に声に続きます。 小夜「来来! 女御!」 翔子「来来! 女御!」 支天輪から女御が現れます。そしてみるみるウチに翔子さんを 翔子「わっ、なんだこれは!? ふ、服がぁ」 さーって、翔子さんはどんな格好にされるなぁ〜♪←(鬼)やっぱりしゃおりんの格好と同じかなぁ? 私が楽しみに眺めていると、翔子さんの姿がみるみるうちに変わっていきます。なんだか全体的に黒い色合いくてなんだか怖そうなイメージみたい、どうやらこの辺りは女御のセンス任せのようです。・・・・アイシャドー? 紫のルージュ? 濃い目のメイク? マント? 翔子「な、なんじゃこりゃ!?」 翔子さんの拳がぷるぷる震えています。怒っているのでしょうか? かくいう私も笑いを堪えるの精一杯です。しかしこれでは、これではまるで魔法少女ではなく・・・ 美弥乃「うーむ、魔法少女というより・・・地獄の使者と言う感じだなぁ、ん? まてよ。名づけて『魔王少女』というのはどうだ?」 お母さんが、言ってはいけない事を、踏んではいけない地雷を踏んで仕舞いました。私は翔子さんには悪いけど、爆笑しました。言い出したお母さんも笑い出しました。笑い声が連鎖して、リビングが爆笑の渦に巻き込まれました。
翔子「・・・・・・畜生・・・」
リビングに木霊する笑い声の中、悔しそうに毒づく翔子さんでした。
第二話 『魔王少女あらわる!?』 おしまい
あとがき またも壊れたネタを書いてしまいました(爆) 正直2話目を書く羽目になるとは思いませんでした。 翔子様ファンの皆様ごめんなさい。m(_ _;m 翔子様をおもちゃにしてしまいました。 『魔王少女』の由来ですが、ある日「魔法少女」とメールで書こうとして、3文字目のHをタイピングミスして打ち損ねました。つまりこういう事です
○『mahousyoujo』⇒『魔法少女』 ×『maousyoujo』 ⇒『魔王少女』
これが、この話の全ての始まりです(爆)しかも一発変換(更に爆)うーん、うちのパソコン、駄目駄目なパソコンだなぁ(笑) 皆さんも是非一度試してみててください。貴方の家のパソコンも駄目パソコンかも知れませんよ(笑) 結局のところ第一話の半分位の長さになってしまいしたが、一応2話は終りということで、気が向いたら『魔王少女 翔子様』の活躍(?)とか書くかも知れません(笑) では今回はこれにて〜
2000年6月27日 ふぉうりん |
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