スレッド No.118


[118] Looking For(短編その8)
投稿者名: 空理空論 (ホームページ)
投稿日時: 2001年4月3日 22時56分
『自主独立』
※称賛と敬意をかちとれる者は幸せだ
人を当てにせねばならぬのはわずらわしい


「智子ちゃんって凄いよね。」
「なんですか、やぶからぼうに。」
「様々な事件を解決してきたし、いくつもの職業を同時にこなしているし!」
「まあ、そうですけど・・・。」
「更に皆からの信頼も厚い!これが一番だね。」
「・・・・・・。」
師走の必死な言葉に、顔を赤らめる智子。
なんだかんだ言われて、結局照れているのだ。
「そこで、信頼の厚い智子ちゃんにお願いが!」
「嫌です!」
「そこをなんとか!」
「今日は駄目なんですってば!!晩に悟君の家族の方達とお食事に行くんですから!!」
「うまく理由をつけてごまかせない?」
「駄目といったら駄目です!」
普段からしょっちゅう行われている智子と師走の競り合い。
いつもと違い、珍しく智子が勝利した。
ピシャン!と閉められる駄菓子やの扉の前に、師走はただたたずむしかできなかった。
「仕方ない、今日は帰るか。俺だけじゃあどうしようもないんだけどなあ。」
深い深いため息がつかれる。沈んだ空気の度合いがますます大きくなった。
「色んな事が出来る智子ちゃんは幸せだよなあ。
俺なんか事件が好きでも自分で解く頭が無いから・・・。」
とぼとぼと店から歩き出す。
彼のさびしそうな背中を、西に沈む夕日が赤々と照らしていた。
「睦月に何て言おう。幻のパズルレコードを探す、っていう依頼内容も告げずに断られた、
なんて聞いたらさぞ怒るだろうなあ。あいつ怒ると恐いから・・・」
ガララララッ!!
「へ?」
勢い良く扉が開く音がした。
師走が振り返ると、そこには智子が立っていた。
「ど、どうしたの?智子ちゃん。」
「師走さん、今度だけですからね!さあ、パズルレコードを探しに!!」
「でも悟君達との食事は・・・。」
「心配しなくても待ち合わせの時間までにここに戻ればいいんですから!さあ!!」
「う、うん。」
がぜん張り切り出した智子に背中を押されながら、
“最初から睦月の名前を出せば良かったのかな・・・”
と、師走は考え込んでいた。

<おしまい>


○後書き:うーん、なんか久しぶり。相変わらずよくわからん話だが(苦笑)
はっきり言って、質の高い作品が並ぶ中、
こんなのを投稿するのは気が引けるんですが(汗)
一応私がここに投稿するのはこのシリーズだと決めてるのでご了承ください(笑)
2001・4・3

[120] Re: Looking For(短編その8)
投稿者名: グE
投稿日時: 2001年4月4日 00時50分
やっぱり智子ちゃん睦月さんには弱いか。
ところでパズルレコードって…なに?


(ところで智子ちゃんって悟君の家と仲がいいんですね。
なんかうれしい。)

では

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