スレッド No.53


[53] Looking For(短編その6)
投稿者名: 空理空論 (ホームページ)
投稿日時: 2001年2月2日 22時39分
『慎ましさ』
※おのれの聡明さを自慢するな
賢くて無口な人は
他家を訪れても慎ましくふるまい
ひどい目にはあわぬ
分別より頼りになる友はないのだから


それはある曇った日。
非常に珍しい事に、長月さんがあたしの家に訪ねてきた。
手土産にジュースの詰め合わせを持って。
いや、それだけではなかった。なんと・・・
「こ、これはあたしが欲しかった調味料!!
そろそろなくなりそうでほんと欲しかったんですよお。」
「・・・・・・。」
あたしの嬉しそうな顔を見て、長月さんは笑顔でこくりとうなずいた。
ううーん、やっぱ無口。
「ところで、よく私が欲しい頃が分かりましたよね。
以前買った時期とかチェックしてたんですか?」
「・・・・・・。」
少しだけの考察の後、ふるふると首を横に振った。
ううーん、たしかに無口。って、なんで間があるわけ?
「ところで、今日はどんな用件で?
まさか調味料とジュースを届けに来ただけというわけではないでしょう?」
「・・・・・・。」
何も言わずに、長月さんはすっと一枚の紙を差し出した。
そこに書かれてあったのは・・・って真っ白じゃないの!
「あの、長月さん・・・」
「あぶりだし。」
「は?」
「あぶりだし。」
「・・・・・・。」
もちろんあたしはあぶりだしの意味が分からなかったわけじゃあない。
いきなり言われて戸惑っただけ。というか、なんであぶりだしなんだか・・・。
「わかりました。それじゃあ早速あぶってきます。」
「・・・じゃあ。」
「え?」
紙を持ってあたしが立ち上がると同時に、長月さんも立ち上がる。
片手をすっと上げたかと思うとすたすたと去ってしまった。
あたしが呼び止める暇も与えす・・・。
「もぅー、一体何なの?まあいいや、とりあえずあぶってみようっと。」
紙を火の近くへ持っていってあぶってみると・・・
「じ・・・け・・・ん?・・・師走さんか。」
わざわざなんとあぶりだしを使用して事件を告げにきたみたい。
多分長月さんに手渡すよう頼まれたんだろうな。
なんとなく中身を察知した長月さんは、多少なりとも気をつかってくれて、
ジュースやら調味料やらを持ってきてくれて・・・。
「って、そんなもんを届けにこなくてもー!! 」
そしてあたしは一人荒れ出した。
しばらくイライラしていると・・・
「智子ちゃーん。長月から聞いてると思うけど事件だよー。」
と、師走さんが訪ねてきた。
なるほど、長月さんがさっさと帰ったのはまきぞえを食らわないためか。
無口という性格を少しうらやましく思ったあたしであった。

<おしまい>


○後書き:・・・何やねんこの話(爆)
もはや関係ないな、内容が。
最初はちゃんと作ろうとも思ってるんだけどな・・・。
けどまあ、やっぱ無口はそれなりに得をする、かな?
2001・1・31

[56] Re: Looking For(短編その6)
投稿者名: グE
投稿日時: 2001年2月3日 19時38分
> 『慎ましさ』
> ※おのれの聡明さを自慢するな
> 賢くて無口な人は
> 他家を訪れても慎ましくふるまい
> ひどい目にはあわぬ
> 分別より頼りになる友はないのだから

おお、長月さんが無口だったのはこういうわけか…。(絶対違う)
なんにしろ師走さんには巻き込まれたくないですね。

SEO [PR] !uO z[y[WJ Cu