[202] KINONの世界へようこそ第四話
投稿者名: グE
投稿日時: 2001年7月18日 17時38分
作者注:前話までを参照


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今までに判明しているキャスト
名雪………………楊明
秋子………………ルーアン
あゆ………………亞凛
たいやき屋………宮内出雲
石橋先生…………同上
先生A……………田端先生
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とりあえずHR中は攻撃されることもなくおわった。
…まぁ、よく考えてみれば名雪は知識を教えるものだから
こういうときにちょっかいは出したりしないのかもしれない。
その点では安心…、か。
「あんたさぁ、もうちょっと代わった自己紹介って言うものが出来なかった?」
HRが終わるなり、香里にそういわれた。
…休み時間が不安だがな…。
「あのなあ、普通じゃない自己紹介ってどういうものがあるんだ?」
「それを考えるのがおまえの仕事じゃないか。」
…むちゃくちゃ言われているような気がするのは俺の気のせいだろうか?


「ま、いいや。…そういえば、名雪。そろそろ部活行こうぜ。」
「そうしましょうか。」
香里が名雪を部活に誘い、二人とも教室から出て行った。


さてと…俺は帰るとするかな…。


「意外に覚えているものだな…。」
そうおもいながら帰り道を歩く。
ひょっとしたら買える途中道に迷ってしまうんじゃないか、と思ったが
その心配は杞憂だった。
昨日歩いた道とかを確認しながら歩いていると


いつのまにか昨日行った商店街にたどり着いていた。


商店街に着くなり昨日の事を思い出した。


……昨日の悪夢を。

……………ここにいるとろくなことになりそうもないな。


そう思いながら商店街を急いで去ろうとした。


ドン!


ドン、と音がしたと思ったら
俺の体は宙に浮いていた。
なんだ…?一体?
なぜ俺の体は宙に浮いている?
俺は幽体離脱でもしたのだろうか?
…それとも夢?


いや…、これは現実だ。
さっきまで、ちゃんと意識が会ったのにいきなり眠るはずはない。
それに幽体離脱なんて、非現実なこともないだろう。
…じゃ、なぜ俺は宙に浮いているんだ?


ドン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


そんなことを考えるていと、
すごい勢いで頭から落下した。

…雪の上に落ちたとはいえ、すごく痛い。
頭をさわると血がついていた。
…俺、やばいかも。


…何が起こったんだ?何が…?
そんな言葉を頭がよぎる。


…やばい、意識が朦朧としてきた。


「ごめんねえ…。」
どこかから声が聞こえてきた。
そちらのほうを見ると近づいている人影があった。
あれは、あゆ…?
「またぶつかっちゃってごめんね。」
そういってなきながら謝る。
…またか、またなのか…?
また、あゆの突撃にぶつかったのか?
「…だいじょうぶぅ?祐一にぃ」
…だいじょうぶじゃ、ねぇ・・・。

頭から血がどんどんとあふれて出してきていることが
自分でもわかる。


…やばい、目がかすんできた。
とたんに今までの出来事が克明に蘇ってくる。


…これが噂に聞く走馬灯、というやつか…。


『あーあ。せっかく、300度のコーヒー作ったのに…。』
『そうですか…。この男が盗ませたんですね。』
『無実ってどういうことですか?こんなかわいらしい女の子
に盗みを働かせておいてそれはないんじゃないんじゃないですか?』
『あれじゃ仕返しにしては少し足りないと感
じたので…。その残りを今日やってみました♪』


……ろくな人生じゃなかったな…(特にここ数日)
「祐一兄ぃ、祐一にぃ・・・、しっかりして。」
あゆが泣いているのがかすかに分かった。
それが俺がこの世で見た最後の風景だった。





「あ、祐一にぃ…、気が付いたんだね、よかった。」
…かと思いきや、俺はまた目を覚ました。


…さっきお花畑で『俺が名雪の父親役の太郎助だ』
というプラカードをもった太郎助を見たような気がするが気にしないことにする。
…気にしないさ、ああ。
というか気にしてたまるか。
(注:作者は名雪の父親は死んでいると思ってます)


「ところで祐一兄ぃ大丈夫?」
「ああ、何とか大丈夫だぞ、あゆ。」
そういって起き上がろうとするが
バランスを崩し再び倒れこみ、後ろにある何かにぶつかる。
そのとたん……


ドサドサドサ!


上から大量の雪が降ってきた
「わわ、祐一兄ぃ、大丈夫?」
うう…、冷たい。
踏んだりけったりだな。
…そういや今日は俺はどこまで飛ばされたんだ?
そうおもい、周りを見渡す。

…ここって並木道?
これまたえらい飛ばされたものだな…。

…即死しなかっただけでも奇跡かもしれない。


…って並木道?


……ひょっとしてここって、栞と俺がはじめて出会う場所か?
「な、何するんです!あなたが木にぶつかったせいで
せっかくの着物がよごれちゃったじゃないですかぁ!」
そんなことを考えていると
すごい剣幕でしゃべる女の子の声がした。
振り返って女の子の着ている服をみると、晴着が雪でびしょびしょになってる。


…晴着?
まぁまだ、一月七日、晴着を着ていても
そんなに不自然ではないが…。

「悪いな。」
そんなこを考えながらとりあえず謝っておく。
「悪いじゃないでしょう!いったいどうしてくれるんですか!」
…そういっている女の子の顔を見ると愛原花織であった。
こいつが栞役か。
まぁ無難なせんだと思うが…、
しかしどうも言動が乱暴な気がするがきのせいか?

…まあよく考えれば晴着をびしょぬれにされたら誰でも怒るか……。


「もうちょっとしっかり謝って…、」
なにかをいいかけて
俺のほうを見たとたん、愛原の目が輝きだした。

「かっこいい…。神様、これが運命の出会いって奴ですね…」

しばらくして、小声でそうつやいている声が聞こえた。
…今の台詞、どこかで聞いたような…?

…ちょっとまてよ…。


愛原花織+乱暴な言動+晴着+さっきの台詞
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       ・
……………テレビアニメ版の愛原花織?

…ちょっとまて!

「あの、ごめんなさい、さっきは乱暴の事言ってしまって。」
急に愛原の態度がしおらしくなる。
「いいよ、気にしてないからな。そろそろいこうか、あゆ、」
「え・・・?うん。」
そういって、あゆといっしょに去ろうとする。
やばい、さっきの台詞から判断するに花織は俺に一目ぼれしている。
…はっきり言ってやばい、やばすぎる。
テレビアニメ版で至上最悪のキャラといわれた
こいつにつきあわされたひにゃぁ
どうなるか分かったもんじゃない。

…さっさと逃げよう。36計逃げるが勝ちだ。
「ちょっと待ってください。」
去ろうとしたとき、問答無用に俺の腕をつかむ。
頼むから逃がしてくれ〜!
「あたし愛原花織って言います。宜しくお願いします」
……え?
「君って美坂栞じゃないの?」
「いいえ、私は愛原花織ですよ」
…どういうことだ?
「花織〜こっちにきなさ〜い。そろそろ帰るわよ〜」
「(ちっ、いいところで…)またお会いしましょうね〜。」
後ろから花織の母親とおもわれる人に呼ばれ、愛原は去っていった。
……何だったんだ今の?
「びっくりしたねぇ祐一にぃ。」
ああ、俺は本当にびっくりしたさ。
まさかテレビアニメ版のキャラなんて出してくるとは思わなかったからな。
けど、栞役じゃなくて一安心だな。

…だったら何ででてきたんだ?
それに、そうなると栞って一体…?


「ちょっとそこの人、いいかげんに謝まったらどうなの?」
後ろから声が聞こえてきた。
…金髪の少女だ。
…だれだ?
「あなたが雪を落としたせいであたしのストールが濡れちゃったじゃないの
どうしてくれるのよ?」
その少女は栞と同じようにストールを着ていた。
…と言うことはこいつが本当の栞役なんだろうが、
…だがこいつ一体誰だ?
漫画で見たことないぞ。
「さっさと謝ったらどうなの?」
「ごめんなさい。」
…とりあえず謝っておこう。
「まったく、どじなのね。あなた。大体あなたなんで
さっき宙に浮いてたの?あたし非常識なことって嫌いなの」
「あゆに吹っ飛ばされて…。」
そういったとたん、その少女はあゆをにらんでいった。
「…あなたその位置から全力疾走で私にぶつかってみなさい。」
「え?」
あゆの目が点になっている。
「いいから。」
「うん、いくよ。」
そういって、あゆは全力疾走で走る。
(…最も、あゆは速すぎて、俺の目には消えたようにしか見えなかったが)
ちなみにあの少女ははじめと少しずれた場所にいた。


「ゴール。」
そうおもってたら、あゆが戻ってきた。
どうやら世界一周がおわったらしい。
「すごいねぇ、あゆの突撃をよけるなんて。」
戻ってくるなりあゆはいった。
…はい?
よけたんですか、あのスピードを。この女の子は。
「所詮光より遅いんだからよけられてあたりまえじゃない。
…だいたいあなたあの程度のスピードがよけられないの?
あなたって、運動神経ないのね。」

…キミの運動神経がよすぎるんじゃないか!?


…あ。


「キミ、ひょっとして三田マリア?」
さっきからの出来事とか言葉遣いとか外見とか考えると間違いなさそうだ。
「ここでは美坂栞よ。」
…小説でこいつの挿絵なかったからな…。
わからなかったぞ。
「大体女の私に負けるなんてぜんぜんだめね。
あなた。…ほら、あゆちゃん、今度はこの男に突撃してみなさい。」
「…え?」
あゆの目が点になっている。
「ほら。」
「…うん。」
って、ちょっとまて、をい。
「あゆ、やめてく…。」
やめてくれ、という前にあゆは俺のほうに突撃してきた。
もちろん、俺はよけられるわけもなく…。

ドン!

また空に飛ばされた。

「まったく、本当に運動神経ないのね。」
そういって栞はあきれている。
「…よけられなくてあたりまえだと思うんだけど、栞姉ぇ。」
「なんなの、だったら私は人間じゃないって言うの?」
「う…、そこまではいわないんだけどぉ。」
「そんなこという人、きらいよ。…なんてね。」


一方そのころ…。

「ケーキ♪ケーキ♪。」
名雪はこの上ない笑顔で歩いていた。
「全く…、名雪、そんなにうれしいのか?」
「だって、季節限定のケーキなんですもん。」
「そうだよな、ここの季節限定のケーキっておいしいもんな。
…ところでいくつかったんだ?」
「10個です」
「で、おまえはいくつ食べる気だ?」
「わたしは8個食べます。そしてお母さんには2個上げます」
「相沢にはやらないのか?」
「なんであげなきゃいけないんですか?」
「…一個ぐらいやってもいいんじゃないのか?」
「だめです。」
「全く相沢もかわいそうに…。…そういえば、
あたしが持っているこのトランポリンって何に使うんだ?」

香里の手にはトランポリンの入った袋が握られていた。
ちなみにこれも名雪が買ったものである。

「明日の目覚ましに使うんです。」
「どういう風に?」
「それは秘密です♪」
もちろんこのトランポリンは祐一のめざまし時計として使われる予定である。
どんな目覚ましかは…ここではいうまい。
「はぁ…、まぁいいけど。その代わりちゃんとテスト前はいつもの、
あれ、たのむぜ。」
「ええ、分かってますよ。」
「さっすが、名雪、頼りになるな。」
『あれ』とはもちろん楊明の特技の本の内容を瞬時に
覚えさせることができる「万知創生」のことである。
このおかげで香里は常に名雪と並んで学年トップである。
「けど、やっぱりこれ持つのつかれるな…。」
そういって香里は何となくそらをみあげる。
「…おい、あれ、なんだ?」
空から何か降ってくるのが
香里には見えた。
「え?」
そういって名雪も空を見上げる。
なぜ統天書の中にしまっておかなかったのかは
…、きにしてはいかん、いかんのだよ。(をい)

空を見上げると確かに空から降ってくる何かが…。





…あれは名雪…と香里?
ふたりとも何か袋を持っている。
(最も名雪のほうが香里より格段に小さい袋だが)
ヤバイ。
ぶつかったら何言われるか分かったもんじゃない。
…とはいえ、何も出来ない。
たのむ、名雪、よけてくれ。

とりあえず気づいたようで、名雪は袋を持ったままちょっと後ろに下がる。
香里はなにやら大きな袋を下において後ろによける。
よかった。

最悪の事態は避けられそうだ。


…ところで、おおきな袋に入ったあれはなんだ?

どうもあそこに落ちそうなのだが…。

案の定、その袋の上に尻から落下する。


ポン!

そしてはねる。
…トランポリン?
これ、トランポリンか?
何でトランポリンがあるんだ?

そんなことを気にしていると…。


「ちょ、ちょっと。」


名雪に抱きつく形で名雪にぶつかる。

グシャ

当然、名雪の持っていた箱はつぶれ…、

名雪を押し倒す形で俺は雪の上に倒れこんだ。


「あんたって朝、名雪がいってたとおりほんとにケダモノだったんだな。
こんなところで襲うなんて」
もうおかしくてたまらないというくらい香里が笑いながら俺たちを見ていた。
確かにこれを人が見たら俺が名雪を襲っているようにしか見えないだろう。
「祐一さん、あたしが食べるのを楽しみにしていたケーキをつぶしてまで
こんな商店街の真ん中で襲うとはいい度胸してますね!」
名雪は本当に怒っていた。それはもう一瞬、名雪の顔が修羅に見えたくらい……。
「な、名雪、おちつけ、わざとじゃないんだ!
つぶしたケーキは買ってやるから。」


「問答無用!」


…その日、一つの商店街が消滅した。


その後万象蘇生ですぐ復活(笑)


続く?

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今までに判明しているキャスト
名雪………………楊明
秋子………………ルーアン
あゆ………………亞凛
たいやき屋………宮内出雲
石橋先生…………同上
先生A……………田端先生
名雪の父親………太郎助
美坂栞……………三田マリア


?愛原花織(アニメ版)
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グ「次の日からのネタがないために全体の構想の2/3にしました。」
愚「一つ削っただけだろ…。」
グ「う…、それはいいとして。」
愚「所でなんでここまで遅れたんだ?」
グ「今まで書いた小説消えてから
  書く気なくなってさぁ…。(掲示板参照)。」
愚「ふぅ…。…ところで栞やくって始めはアニメ版の愛原花織だったんだろ?
  何で変えたんだ?」
グ「色々あるのよ…。」
愚「何じゃそりゃ?…ところで何で『続く?』なんだ?」
グ「ねたがマジで尽きてきたから。それにおもろいねたが浮かばん」
愚「はぁ…。」
グ「とりあえず気が向いたら続き書く。」
グ&愚「では!」

愚「それにしても亞凛ってただの祐一に突撃するキャラになっているような…。」
グ「ギクッ…。次回から何とかします…。」

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子記事
[203] ライバル麻衣
[204] 意外やいがい空理空論
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KINONの世界へようこそ第四話 [ グE ] 2001.07.18 17:38 No.202
ライバル [ 麻衣 ] 2001.07.19 18:43 No.203
意外やいがい [ 空理空論 ] 2001.07.20 10:03 No.204
超人?? [ ふぉうりん ] 2001.07.29 23:01 No.212

[203] ライバル
投稿者名: 麻衣
投稿日時: 2001年7月19日 18時43分
あはは、おもしろいです。
・・・・この題名の意味は亞凛のスピードをよけられる者がいたとは・・・。
ら、ライバル!!栞さん!!
(それに本当のカノンで舞と栞の人気が張り合ってるし・・。)
そして愛原花織。まったく謎だあ!!でもでも何かすごいことをまきおこす予感・・・・・・・・。ともかく、続きを楽しみにしてますです−

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[204] 意外やいがい
投稿者名: 空理空論 (ホームページ)
投稿日時: 2001年7月20日 10時03分
なんだかだんだん深刻になってきた気がする(気の所為?)
三田マリアさんを出してくるとはかなり意外でした。
つーか、どうしてまた?
那奈姉と姉妹になる事でなんかあるってことかなあ……(謎深読)
それにしても祐一君丈夫だ。
あゆの突撃食らってもしっかり生きてるし。
運動神経はなくとも十分体力はあるぜ!(笑)

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[212] 超人??
投稿者名: ふぉうりん (ホームページ)
投稿日時: 2001年7月29日 23時01分
うーむ、超人 三田まりあ 現るといったところでしょうか?(爆)
凄いですよぉ。色んな意味でね(^^

しかし・・・空理さんが仰る通り随分と濃い姉妹になりそうですねぇ・・・
祐一君、姉にも妹にもボコボコにされちゃうじゃん(笑)
(暴力じゃないよ。言葉とかでね)

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