スレッド No.146


[146] まだ題は決まっていない(第一話)
投稿者名: グE
投稿日時: 2001年6月8日 17時34分
<プロローグ>
雪が降っていた。
重く曇った空から、真っ白な雪がゆらゆらと舞い降りていた。
冷たく澄んだ空気に、湿った木のベンチ。

「……」
俺はベンチに深く沈めた体を起こして、もう一度居住まいを正した。
屋根の上が雪で覆われた駅の出入口は、今もまばらに人を吐き出している。
白いため息をつきながら、駅前の広場に設置された街頭の時計を見ると、時刻は3時。
まだまだ昼間だが、分厚い雲に覆われてその向こうの太陽は見えない。

「…遅い」
再び椅子にもたれかかるように空を見上げて、一言だけ言葉を吐き出す。
視界が一瞬白いもやに覆われて、そしてすぐに北風に流されていく。
体を突き刺すような冬の風。
そして、絶えることなく降り続ける雪。
心なしか、空を覆う白い粒の密度が濃くなったような気がする。
もう一度ため息混じりに見上げた空。

その視界を、ゆっくりと何かが遮る。
「……」
雪雲を覆うように、女の子が俺の顔を覗き込んでいた。

その女の子は紫色の髪をした、
おれの思い出の中にある女の子…


ではなく、
金髪で黒服に身をつつんで、なにやら黒っぽい本を持っている女の子だった。
え?

************************************


KINONの世界へようこそ!(仮題)(第一話)


************************************

「雪、積もってますよ。」
その女の子が俺にそういった。
「…二時間、人を待ってるからな。」
そう、俺の従姉妹である、名雪を、な。俺は待っているんだよ。
「え?二時間も待ってたんですか?暇人ですねぇ…。」
あきれたようにその女の子は言った。
「待ち合わせの時間は一時だからな。」
「それは北京での時間ですよ。」
女の子がそんなことを言う。
おまえならともかく、いくらなんでも名雪は
そういうことはしないだろう。


「とりあえず一つだけ聞いていいですか?」
一呼吸おいて、その女の子は聞いてきた。
「…ああ。」
「寒さにはつよいんですか?」
意表を疲れた質問だった。
「いや、そんなことはないぞ、」
「だったら、何でこんなところで待ってたんですかぁ?
駅のなかででも私が来るの待ってればよかったでしょうに。」
子馬鹿にしたようにその女の子は言った。
おまえには関係ないだろ、おまえには。
大体おまえを待ってたわけじゃないぞ。
そう思ったが口には出さないでおく。

「ま、とりあえず、これ、プレゼントです」
そういって女の子は缶コーヒーを取り出した。
「少し熱いですよ。」
「ああ。」
その女の子の好意に甘えることにする。
手も冷たくなってきたし、
少し熱いくらいがちょうどいい…。
「あ。」
そう思ってると、その女の子はあやまって缶コーヒーを地面に落としてしまった。
あっという間に雪の上に落下する。


ジューーーーーー


そのとたん、その場にあった雪をすごい勢いで溶かし始めた
「ちぇ。」
本当に悔しそうにその女の子は舌打ちした。
「ちぇ、じゃないだろ!ちぇ、じゃ!」
危なかった…、実際に受け取ってたら焼けどじゃすまなかっただろう。
大体この女の子の事だから何かしかけがあるかも…。とか思うべきだった…。
「あーあ。せっかく、300度のコーヒー作ったのに…。」
本当に残念そうに女の子は言った。
「いったいどういうふうにして作ったんだ、んなもん」
何となく予想はつくがおれは聞かずにはいられない。
「この統天書を使えばちょちょいのちょいですよ。」
そういって女の子…いいかげんこの表現は止めよう…
楊明は自分の持っている本を指差す。
確かにそれを使えば楽勝だろうな。

「おまえ、俺を誰かと勘違いしていないか?」

俺は楊明に聞いてみる。

「え?あなた相沢祐一さんでしょ?」

俺はこの少女と会ったことはないし、(知ってはいるが(←なぜ))
会う約束をした覚えももちろんない。

「おまえが待っている相沢祐一って奴はどんな奴なんだ?」

とりあえず自分ではない同姓同名の相沢祐一だと思ったので聞いてみる。

「え・・・とですね。七年前、幼い私からお金を巻き上げてまで
ゲームセンターでクレーンゲームに興じ、
十年前には、せっかく仲良くなった女の子とは
別れを電話で済ますほど薄情で…、」
……物事を悪く悪くいうんじゃない。
大体おまえからはお金を巻き上げた覚えはないぞ。

…ひょっとして俺は楊明に遊ばれているのか?
しばらく考えて、その考えに行き着く。
今までの出来事を振り返るとそれに間違いはなさそうだった。


…楊明の悪戯のターゲットはついにここまできたんかい。


「わかった、もういい…。楊明。」
とりあえず楊明の遊びにつき合うのはやめようと話を終わらせようとする。
「楊明じゃありませんよ。ここじゃ、’名雪’です。」
「はい?」
俺は思わず素っ頓狂な声をあげてしまう。
ここじゃ名雪って…?
「私のここでの名前、出してくれませんでしたね。」
その声には明らかに怒気をはらんでいた。
何となくイヤな予感…。
そんな薄情な人にはおしおきです、きたれ雷!」
ぴかっと光った瞬間…


ドーン!


俺の頭上に雷が落ちてきた。
俺はもちろんよけることが出来ず雷の直撃を食らった。
「このくらいよけましょうよ、もう、だらしがないですねぇ。
じゃ、いきましょうか。」
「いくってどこへだ?」
真っ黒焦げになった俺の体を見ながら
俺は当然とも思える疑問をぶつける。
「もちろん、相沢さんがこれから住むところですよ、何言ってるんですか?
早くついてきなさい。」
「いやおれは従姉妹の名雪を待っているんだがな」
「私が名雪ですってば。」
楊明はまたその言葉を言う。


……何となく自体が把握できてきた。
……マジか?この話はそういう話なのか?


「早くこないと、また雷呼びますよ?
もちろん、さっきのものと比べ物にならないくらいの」
「はい…。」

おれは変なことになったと…、ひしひしと実感し始めていた…。


            雪が降っていた


 真っ白い結晶が七年前の思い出をなかったものにしようとしていた


           数年ぶりに訪れた街で


          今も降りつづける雪の中で    
  

            俺は一人の悪女

楊明「…」
                  
                もとい…

   かわいらしい彼女と出会えたことを誇りに思わせていただきます、はい。

楊明「よろしい。」


今までに判明しているCAST
名雪………楊明


後書き  

やっちゃったよ、おい…。
とりあえずリクエストがあればもう少し続けます。(多分)
(なくても続けるかもしんない)←をい。


まぁ因みに悩んでいたのはどうやってこの展開に持ってこうかなぁっていろいろ考えたんですよね。
(たとえばキャラBDのあと、あゆの奇跡によって時空移動をした際
失敗してここに来た、とか)


PS

……文句があればすぐ消します。はい。

[147] 是非続きをおおおお!!!!
投稿者名: 空理空論 (ホームページ)
投稿日時: 2001年6月8日 23時39分
タイトルの通りです、ハイ。(大爆笑)
というかほんと爆笑物でした。
そうか、楊明の遊びはここまで発展したのか・・・
タチ悪すぎるぞオイ(笑)
是非とも他のキャストを見てみたいですねえ、これは。
秋子さん含め、一体誰がやるんだろう、ドキドキ。
続き楽しみにしてます〜♪

[148] そうきたか!!
投稿者名: たけ (ホームページ)
投稿日時: 2001年6月10日 01時18分
名雪が楊明・・・なんというか、すごい発想ですね・・・(笑)
あの悪女・・・げふんげふんっ!!
もとい、楊明さんがどういう行動を取るか、楽しみです(笑)
ところで、残りのキャラも全部キャストを変えるんですか・・・?
とにかく、頑張ってください。
僕もなんか書かないとなあ・・・
それでは!!

[149] 面白いですわ
投稿者名: ふぉうりん (ホームページ)
投稿日時: 2001年6月10日 01時58分
大爆笑です!!
腹抱えて笑いました(^^)
楊明さんヒデェなぁ(笑)
この後でて来るはずの秋子さんは一体だれでしょう?
非常に気になります。
この先祐一君はどんな目に遭わされるのだろう?(^^;

ってそうそう、勿論続編希望です!

SEO [PR] !uO z[y[WJ Cu