271 Reply ひなまつり ふぉうりん MAIL URL 2003/03/12 15:11
ff6666
「よっし、ルーアンは『雛壇』をよろしくな」

「はい。おねーさま」

「で、キリュウは、ルーアンが作ったのを大きくする。出来るまではルーアンの手伝い」

「うむ、心得た」

「じゃ、シャオは星神達にこれを…」

「はい!」

 那奈はてきぱきとシャオ達に指示を与え、フェイはその様子をじっと見ていた。

「張り切るなぁ、那奈姉」

「そりゃあね。女の子の節句だからね。」

 今日は3月3日『ひなまつり』だ。突然那奈が今日になって『今日はひなまつりだ。やるぞ』などど言い出して、皆を巻き込んでの大イベントとなった。
 今、七梨家で那奈の言葉に正面から逆らえる者なんて居やしない。従って『那奈が何かやる』と言ったらそれが実行されるのは、ある意味必然だった。

「目一杯楽しまないとね。それに今年はこんなにウチには、女の子が居るしね。」

 若干『女の子』と呼ぶに憚る年齢の人物が居るのだが、それを口に出すと確実に血を見ることになるので、太助は口を挟まないことにした。それが賢明である。

「しかし、何でまた…。」

「ん? そりゃ決まってるだろうよ? 『ひなまつりってなぁに?』なんて、可愛らしく首傾げて聞いてくる妹分が居たら、やってやりたくなるのが人情ってもんだろ?」

 太助には那奈の言いたいことは判るのだが…。少し張り切りすぎではなかろうか?

「それにしても、那奈姉はフェイには甘々だな」

「当然!」

 勝ち誇ったように言い切られると流石に困る。

「弟と妹じゃ、思い入れが違うもんなんだよ」

「ヒデェ…差別だ」

「あたしは弟よりも、妹が欲しかったんだ♪」

「んなこと言ったって…、それにウチには、シャオやキリュウが居たじゃんか。それはどうなんだよ?」

「シャオはあんたのもん。キリュウはお堅いから、突っぱねられるかも知れない。つーか空回りするね、きっと。あたしは今更な歳だしね」

 ルーアンは言わなくても論外らしい(かわいそうに…)なんだか滅茶苦茶な論理だが、言い分としては妙に通るような気がした。

「まぁ、いいや。で、俺の仕事は?」

「暇そうな連中呼んでおきな」

「いつものメンバーね」
 
 太助は少しぼやきながらも、いつものメンバーへ電話をかけた。



「愛原は駄目だってさ」

「へぇ。ぴょんぴょんちゃんがねぇ。あんたの誘いを断るなんて珍しい」

「なんでも友達同士でなんかやるみたいだったよ」

「今回は友情をとった訳ね」

「那奈姉。それ少し言葉が悪い」

「そうかい? こりゃ失礼」

 野郎共は勿論のこと翔子も暇だったらしい、呼ばれることとなった。



「おっす。那奈姉」

「おっす翔子」

「あれ? 瓠瓜は?」

「まぁ、秘密だ。楽しみにしておいてくれ」

「ははーん。さては何か企んでるな?」



「本日はお招き預かり光栄です」

「おーい。シャオ。和菓子係りが来たぞ〜」

「那奈さん!? それは幾らなんでもあんまりです」



「こんちわ〜」

「こんにちわ〜」

「お〜い。歌係りと雑用係りが来たぞ〜」

「太助の姉ちゃん…」

「酷い…」


 那奈の心無い言葉にやさぐれた3人を太助がフォローしたりなど、珍妙な一場面もあったのだが…。それはそれ。



 いよいよ七梨家の『ひなまつり』が始まろうとしていた。

「見せびらかすのが、野郎共ばかりなの残念だが、これも仕方が無い」

 那奈がなにやら勿体ぶった口上を述べていた。

「気合入れてあたし達が作ったんだ。見て驚け」

「じゃ、御開帳〜♪」

 那奈の声を合図に手作りの雛壇に掛けられていた布が落とされる。そしてそこには…


「これはこれは…」

「おおっ」

「凄いね」

「おっ、瓠瓜。なかな男前(?)だよ」

 口々に感嘆の声を漏らす、那奈としても満足だった。

「随分と頑張ったんだな。那奈姉達」

「まぁね」

「ほんと、今回は頑張ったわよ〜」

「ルーアン殿は『陽天心』を掛けた文房具に仕事させただけではないか?」

「あんたも『力』使って大きくしただけでしょうに」

「まぁまぁ、おふたりとも…」

 かく言うシャオは那奈の企画原案により、星神達を雛人に模して雛壇を飾りつけた。うえから、内裏雛に女雛は虎賁と離珠。参人官女に女御と長沙。今回の衣装担当は勿論女御だ。右大臣に八穀、左大臣に瓠瓜、車(?)の代わりに車騎(物騒だな)五人囃子は羽林軍から代表で5人が雛壇に立った。因みに今回の雛人形役が持つ小道具は彼等が担当した。

 題して『星神五段飾り』である。(命名:那奈姉)

「どうかな? お姫様。あたしからの『ひなまつり』は」

「…ありがとう」

「…那奈………お姉ちゃん」

「!!」

 消え入りそうな小さな声だったが、那奈はそれを聞き逃さなかった。

「ああ、もうこの子ったら…」

 那奈は力一杯フェイを抱きしめて、ぐしゃぐしゃと彼女の頭を撫でつけた。

「どうしたんですか? 那奈さん」

「いやね。なんか十分過ぎるほど、お礼貰っちゃったんだよ。あたしゃ嬉しいよ」

「そうですか。それは良かったですね」

「ああ、ほんと。良かった」



「離珠さん。よくお似合いです。可愛いですよ」

(ありがとうでし。出雲しゃん)

「勿論、長沙さんも」

「ありがとうでシュ」



「瓠瓜。いやいやなかなか似合ってるよ。うん。」

「ぐえっ」



「じゃ、頑張ってね『陽天心カメラ』」

「ルーアン先生なにやってるんですか?

「あら、遠藤君。お姉様がね。せっかく記念になるから写真撮れっていうのよ」

「ああ、それでですか。」



『万象大乱!』

「…で、この『巨大ひなあられ』をどうしろと…」

「んー。30センチはあるな」

「そうだな。野村殿。主殿と競争してみないか?」

「大食らい?」

「うむ、試練だ」

「よーし、太助やってやろうじゃないか」

「まっ、イベントだしね。その試練乗った」

 などという一幕もあった。



 最後は記念撮影で締めくくり、七梨家のアルバムに思い出がの写真が一枚加わることになる。そう、フェイがこの家に来てからの思い出が一枚。




あおがきのようなもの
今回のネタはそこはかとなく嘘っぽいんです(笑)だって中国発祥っぽいんだもんね。ひなまつり…
中国語『ひなまつり』⇒『三月三日女孩節』なんて書くらしいです
なんで嘘っぱちネタです。なにがしたかったかというと『星神五段飾り』これにつきます。動機としては今ひとつ弱かったので、那奈姉とフェイちゃんに頑張ってもらいました。

なんか殴り書き度が高いですが…(大汗)

これにて


2003年3月12日 ふぉうりん
273 Reply 大張り切り 空理空論 MAIL URL 2003/03/13 01:34
808000
那奈姉の妹…うみゅ、すっかり定着さんですね。
星神雛壇よりむしろこっちがインパクトあったかもしんない、なんて(笑)
フェイもフェイで、ぽそりと“お姉ちゃん”というセリフを言ってる辺りが
とっても可愛らしいです。
いいひなまつりになったことでしょうね。特に那奈さんにとっては。
277 Reply ひなまつり♪ Foolis MAIL 2003/03/13 13:42
cc9999
星神の雛壇というのはなんとなく思いつきましたが……
那奈ねえがすごくいい感じですね(いろんな意味で)
本当にいいひな祭りだったことでしょう。
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送