スレッド No.191


[191] Birthday Present
投稿者名: AST
投稿日時: 2001年7月7日 13時33分
「どうしたらいいのかしらねえ」
「いったい何を差し上げたら喜んで下さるでしょうか」
「・・・」
「「「うーん」」」

七梨家のリビングでは、精霊たちがなにやら相談しながら頭を悩ませているようだった。

「ねえ、シャオリン。あんた、前は花壇か何か作ってたわよね」
「ええ、お庭が寂しそうだったので。あれは、私がこちらに来て一周年のときでしたわ」
「ふむ。そんなことがあったのか」
「贈り物って言ったら、何かしらねえ」
「翔子さんは、「私だったら欲しいもの」といっていましたけれど」
「やっぱり食べ物かしらね」
「それはルーアン殿だろう」
「何よ、いいじゃないの。私が欲しいんだから、たー様だってきっと喜ぶわよ
天井まで届くくらいの薄皮饅頭とか、素敵よね」
「ふえ〜。すごいですぅ」
「・・・ルーアン殿のお腹に入るだけなのではないか?」
「ぐ。うるさいわね。でも、何か役に立つものの方がいいわよね、きっと」
「うむ。それでは、特大試練というのはどうだ?」
「却下」
「な、何故だ・・・?」
「そんなものプレゼントにできるわけないでしょ!誰が喜ぶのよ?」
「し、しかし・・・」
「そんなものより、やっぱり「あ・た・し」をプレゼントってのがいいかしらね〜
ああん、ルーアン困っちゃう〜」
「ルーアンさん、ですか?」
「役に立つのか?」
「どーいう意味よ!ま、まあ、たー様はシャイだから、そういうアプローチはあんまり効かないのよね」
「やっぱり、太助様にちゃんと聞いた方が・・・」
「あんたねえ、それじゃ意味ないじゃないの。プレゼントって言うのは、黙って用意しておいて驚かせるのが醍醐味なのよ」
「喜んでもらうことではないのか?」
「一石二鳥ってやつよ」
(ルーアンしゃん、ことわざの意味がなんだか違う気がするでし。空理空論しゃんのページをちゃんと読むでしよ〜)
「うるさいわね、あんたがちゃんと解説しないからでしょ、って、何の話よ?」

「あれ?みんなで集まって何話してんだ?」
「ああ、なんでもないのよ、たー様。気にしないで」
「その、ちょっとした世間話だ、主殿」
「実は、太助様・・・」
「ちょっと、シャオリン!!」
「あっ!すみません、ルーアンさん。あの、太助様、秘密です」
「??・・・まあ、いいや。それよりシャオ、買い物行かないか?」
「お買い物ですか?はい!いきますぅ」
「ああん、たー様ぁ、あたしは?」
「(ぼそ)ルーアン殿・・・」
「ああ、もう。ちょっと何よ、紀柳?」
「今日は主殿の誕生日なのだ。二人っきりの時間ぐらいプレゼントしてあげたらどうだ」
「ええ?でも・・・」
「主殿が喜ぶもの、幸せを感じられるものをあげるのが一番だろう。
邪魔をするのは野暮というもの。特に、めでたい日なのだからな」
「そ、そうね・・・。ふ、今日のところは、たー様に免じて譲ってあげるわ。あーん、ルーアンったら「お・と・な」」

「さ、行こうか、シャオ」
「はい!」
「なんか、楽しそうだな」
「え?だって・・・ふふふ」
「え、ええ?ちょっと、シャオぉ!(真っ赤)」

「む、むむむむむ・・・ やっぱり我慢できなーい!待ちなさい、シャオリン!!」
「うわっ、なにするんだルーアン!」
「あ、ルーアンさん、危ないです」
「ええい、二人きりになんてさせるもんかぁ。たー様はあたしのものなのよ!!」
「俺は俺のものだって・・・」

「やれやれ、これではいつもと同じではないか」
「ん?何がだ、紀柳?」
「いや、今日は主殿の誕生日だという話だ」
「ああ、そうだな。あ、それでみんなで相談してたのか」
「ああ。しかし、結局何も決まらなかった。すまない」
「いいって。プレゼントとかそういうのじゃなくってさ、こう、いつもみんなが
いるのが当たり前で、こうして元気でやってるってのが、一番だろ。俺は、それがうれしいよ」
「ああ、そうだな」
「おい、ルーアン。いいかげんにしないと夕飯ぬきだぞ」
「ええ?いやーねえ、たー様。あたしは何もしてないわよ、ほほほほ」
「ったく。さ、いこうか、シャオ」


「よ、七梨、おめでとさん」
「七梨先輩、おめでとうございます!」
「おめでとう、太助君」
「おめでとうございます、シャオさん」
「おめでとう、シャオちゃん」
「・・・お前ら、俺の誕生日だっつーの」


後書き
おめでとう、おめでとう、めでたいなあ、オメデトウ・・・
「僕は、ここにいてもいいんだ!」
・・・はっ、違う。

今日は、七夕。織女と牽牛が天の川の隔たりを超えて出会う日(ホントは16光年も離れてるんだけどね)。
今日は、小暑。太陽黄経(春分点からの離隔)105度の点に太陽が来る日。
そして、今日は・・・

結局、精霊たちのプレゼントは、こんなショートストーリー・・・だったのかな?

Happy Birthday to KUURIKUURON !
Herzlichen Grueckwunsch zum Geburtstag !
Bon anniversaire !

[192] とっても素敵なプレゼント
投稿者名: 空理空論 (ホームページ)
投稿日時: 2001年7月7日 14時24分
バースデーSS、ありがとうございました。
とってもほのぼのしてて、楽しい日常ですね。
個人的に、ルーアンさんをプレゼント、と言った時の
>「役に立つのか?」
ってツッコミには笑ってしまいました。
というかそりゃあんまりだろ、おいおい(笑)
やっぱり平和な風景が一番、ですかね。

で、大変な事に気がつきました。
ことわざ辞典に一石二鳥がありません!(爆)
おっかしいなあ、これ書いてなかったのかなあ・・・。
いずれ書きますね、はい。

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