[174] 万難地天キリュウ人気者計画
投稿者名: よしむら
投稿日時: 2001年6月30日 08時40分
「キリュウ、お前それでいいのか?」 「はぁ?」 突然の主の言葉に一瞬キリュウは目が点になった。 「ルーアンの台詞じゃないがお前は無愛想すぎる。 これがはたして可愛いと言えるだろうか?」 「し、しかしこの方がいいと言う人も多いんじゃないのか?」 「甘いっ!里村茜の練乳ワッフルより甘いっ!」 「誰だ里村茜って」 「気にするな、ノリだ」 構わず太助は話し続ける。 「確かに、綾○レイの成功以来この手の無口無表情系の キャラクターは次々と生まれてきた。だがしかし! 世の中の流行り廃りは激しいもの、この辺で キリュウのイメージチェンジをはかりたいと思う」 「い、いめぇじちぇんじ、とな…」 「そうだ。とりあえずイエスは『はちみつくまさん』、 ノーは『ぽんぽこたぬきさん』だ」 「なんだそれは」 「基本だよ」 何の。 「わかったら返事は?」 「は…はちみつくまさん…」 「よし、ならばまずは外見からだな。 何事もまずは形だ」
「主殿…これはなんだ」 「スカートだよ、見てわからんか?」 「それならわざわざこんな服にする必要はないのでは…」 「何を言う。メイド服はまさに今が旬。 今最も愛されているコスチュームだぞ」 そう、今キリュウはメイド服に身を包んでいる。 イラストでお伝えできないのが至極残念。 「どうせならこのネコミミもつけよう」 と、太助はどこから用意したのかネコミミまでキリュウにつける始末。 「いいねぇ、これで鈴があったらでじこになるんだがなぁ」 「私は目からビームなんて出ないにゅ」 「知ってんじゃねぇか。しかもぷちこ派かお前」 「うっ…」
「外見は申し分ないな、あとは言葉遣いだな。 やはり『はちみつくまさん』と『ぽんぽこたぬきさん』だけでは 心もとない。何か今の時代にヒットする台詞といえば…」 「主旨変わってないか…主殿?」 主の奇妙な行動にキリュウは今更ながら不安を覚える。 「おぉっ!思いついたぞ。キリュウ…よく聞いてくれ」 「な、なんだ?」 急にマジメな顔になった太助を見てキリュウも思わず真剣になる。 「お…『お兄ちゃん』って言ってくれるかなぁ?」 「はぁ?」 だが出てきた台詞は愚者の戯言だった。 「なぁ…頼むよ…」 「お…おにい…ちゃん?」 「くっ…!」 太助の目に光るものが。 これは…涙? 「いいっ…恥ずかしがりながらというところがポイント高いっ! も、もう一回!」 「お兄ちゃん…?」 「くはぁっ!ステキだ。ステキすぎるぞキリュウっ!! ちなみにこれは『お兄様、お兄ちゃま、お兄たま』と アレンジを加えることも可能だ。さすがに『兄くん、兄チャマ』 とかは上級者向けなので慣れてからな」 「そ、そうなのか…」 「いやしかしいいねぇ妹、俺姉貴しかいなかったから 妹っての少し憧れてたんだよな。ていうかあんな いい加減な姉貴じゃ浪漫もへったくれもないよな。 全くいつもフラフラどっか行って落ち着きがないったら。 大体日本に帰ってからけっこう経つのに なんでいまだに肌黒いんだよ?どっか細胞組織 いかれてんじゃねぇのか?それとも心の色か? あの姉貴昔っから意地悪で…」 「ほほぉ?」 「…え?」 そこにいたのは一匹の修羅、もとい七梨那奈。 「キリュウいないなーっと思って探してたら… なにしてんだ?お前?しかもいないと思って このお姉様の悪口を言って…」 顔は笑っているが目が笑ってない。 心なしか温度が三度下がってる気がする。 「ち、違うんだ那奈姉!これは作者の陰謀だ! 大宇宙の電波が俺に命令をあべしっ」
「全く…悪いね、キリュウ。うちのバカに つきあわせちゃって。気晴らしにどっか 食べにいこうか?近所にカレー屋が出来た らしいんだけどそこが辛くて美味しいんだ。行こう?」 「ぽんぽこたぬきさん」 「それはもういいって」 しかも嫌なんかい。
後書き 構想一日、執筆約1時間弱。 勢いだけに任せて書くとこうなるという見本(爆) とりあえず太助のキャラ変わりすぎってのは ギャグってことで許して…許してください。 |
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