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「えー、今回我々は近所にある怪しい屋敷へとやってきてます」
「のっけから説明的ね」
「にしても何なんだここは…」
「メカカカカ！ようこそ諸君！」
「うわっ！誰だ！？」
いきなりバグ夫とラリ子の前に現れた白衣姿の変な男。
「うむ、我輩の名はメカーニ、気軽にドクターメカーニとでも呼んでくれ。スキンシップはコミュニケーションを計る第一歩だったりするからな」
「ほぉ、シリーズ５回目にしてついに新キャラか」
「そのようであるな。ちなみに我輩、何となく察しがつくかもしれんが科学者だったりするぞ。ご都合主義満載の素敵メカでこのシリーズのこれからの展開をなんかこういい感じに盛り上げていこうかと思ってる次第である」
「ほほぉなるほど。じゃそのメカの出来具合見せてもらおうじゃねぇか」
「その言葉しかと受け止めたっ！記念すべき一発目、まさに邂逅の瞬間である。第一印象はその後の展開を大きく左右したりするのでこいつはいきなりドキドキもんですな」
「いいからとっとと出せ」
「メカカ、焦らずとも我輩の発明は逃げたりはせんよ、多分」
「なんだ多分って」
まぁそれはともかくメカーニが出してきたのは…
一着の全身タイツだった。
「待てや、どこがメカだ」
「人を見かけで判断するのは良くないと思うぞ。こいつぁ一見ただの全身タイツ、しかしこいつには我輩が考案した科学的なシステムが搭載されていてな、そりゃあもうびっくりですぜ旦那。とりあえずそこの嬢ちゃん、着てみておくれ」
「なんであたしが…」
渋々ラリ子は陰に隠れてタイツに着替えた。
「着替え終わったわよ」
「うむ。それではイッツショータイム、お代は見てのお帰り、踊り子には手を触れないで下さい」
と、意味不明なセリフを吐きながらメカーニがニヤリとした瞬間、
「な、なに！？体が勝手に動く！？」
タイツに包まれた手足がラリ子の意思を無視して勝手に動き出した。
「うむ、すこぶる快調！こいつを着れば老若男女、いかなる紳士淑女も一級品のバーサーカーにチェンジ、やんちゃなさかりにはもってこいの一品」
「な、なんだとーっ！？てことは」
「ちょっと危ないどいてーっ！」
ボゴッ！
「ぐはっ！」
襲いかかってきたラリ子の攻撃でバグ夫は吹っ飛ばされた。
「い、いててて…ただでさえラリ子さんの攻撃力たけぇのに…」
「メカカ、我輩の計算以上に効果が出てるようだ。これも若さの成せる技かの。まさしく青春ドラマ」
「…さっきから気になってたんだがメカカって何だ」
「我輩の笑い声なり。キャラクターとしての個性を出すためにわざわざこんな無理のある笑い方をしてるのだよ。作者め、ワンピースの影響受けまくりですな。ちなみに初期設定では我輩にはロボードという相棒がいてそいつはロボボと笑う予定だったのだ。でも科学者キャラ二人いても仕方ないんでボツになりよった。見た事もない我輩の相棒に、オーメン、じゃなくてアーメン」
「んな裏設定いいから止めなさいよっ！」
再び襲いかかってくるラリ子の攻撃をなんとかよける。
「で、この状況どうしてくれんだよ！このままじゃラリ子さんに殺されるぜ！」
「その答えは単純明快にして明朗快活！彼女が暴れておるのはタイツのせいだからタイツを脱がせばいいだけの事」
「脱がす？」
…思案中…
「よしやるぞっ！」
いきなりやる気を出したバグ夫は怪しい手つきでラリ子に接近した。
「これはラリ子さんを助けるためだからね！断じてこの状況を利用して合法的にラリ子さんのヌードを拝んでみたいなどとはこれっぽっちも考えておりませんっ！」
「きゃーっ！？」
バゴォッ！
ラリ子の鉄拳がバグ夫を吹っ飛ばした、しかしバグ夫は飛ばされる直前にタイツをしっかりと掴んでいた。
だから引っ張られたタイツは見事にビリビリと破れてラリ子の素肌をさらしてしまった。
「いやーっ！」
「やったっ…」
バグ夫は飛ばされながらもその目に飛び込んだ光景に歓喜の声をもらしたとか。
「メカカカカ！これってドッキリ大成功！？萌えとはまるで無縁だったこのシリーズにサービスシーンの導入。さすが２１世紀なのだ」
「もしかしてこのタイツ作った真の目的ってこれか？」
「そうともよっ、これこそが我輩の追い求めた漢の浪漫である。あまりにも浪漫を追求しすぎて付いたあだ名が一人浪漫倶楽部。千葉繁の部長がなかなか素敵でしたぞ」
「うむ！痛かったけど俺もおいしい体験が出来たし良しとするか、はっはっは」
「あんた達…」
その時、二人の後ろで半裸のラリ子がロケットランチャーを抱えて二人を殺意のこもった目で見つめていた。
「ちょ…ちょっと待ってラリ子さん。俺一応君を助けたんだけど…」
「ぼ、暴力は反対ですぜ、武力解決なんて今時流行りませんよ？相互理解こそが新時代を築いていくためには不可欠なのだと思うのですが？」
焦る二人にラリ子はただ一言つぶやいた。
「死ね」
ドゴンッ！
後書き
頭わりぃネタだなぁ（汗）
新キャラのメカーニは書いてて楽しいキャラでした。
長いセリフ考えるの大変でしたけどね。
こいつのキャラはモデルがいます、誰でしょう？
当たっても特に何もありませんが。 |
