[105] April fool
投稿者名: AST
投稿日時: 2001年4月2日 13時20分
「…好きだよ…」 『え?』 「…君のこと、好きだよ…」 『なにいってるのよ、突然』 「いや、ただそうおもってるから。さ」 『冗談?冗談で言ってるの?』 「別に」 『そんなこといわれても…。大体、私に恋人がいること、知ってるでしょ?』 「それは、そうさ。ただ、僕の気持ちだからね」 『意外ね。いつも、そんなこととはまったく無縁の世界にいそうな顔してるのに』 「そうかもね」 『…答えたほうがいい?』 「いいよ、答えは分かるから」 『そう…』 「驚いた?」 『それはね。意外というどころじゃないもの。予想の範囲を超えてるわ』 「迷惑だったよね?」 『それは…迷惑ってわけじゃ。でも、どうしていいのか、困るのは事実だけど』 「ごめん」 『謝られても…。 友達だと思っていたけど、そういう気持ちでいてくれたことは知らなかったし、それは嬉しいよ。 でも、応えられないし、それは私も…ごめんなさい…』 「謝ることじゃないでしょ。僕にだって分かってたはずのことなんだから。 それなのにそんな顔させて、やっぱり僕こそ、ごめん」 『…』 「…」
「…ふふ」 『…何?』 「いや、今日何日か知ってる?」 『今日は4月1日でしょ?…あっ、April fool!?』 「ふふ、そ」 『じゃあ、今のって、嘘?』 「さあね」 『もう、笑えないよ、ちっとも』 「ごめん。でも、やっぱり驚いたね」 『意表を突きすぎよ。君がそんな冗談なんて』 「…そうだね。ちょっと似合わないね、僕には」 『珍しいこと聞いたけどね。まだどきどきしてるよ、もう。 あー、何か嘘つき返しちゃおうかなぁ…』
「April fool、か… この気持ちが冗談であってくれたら、 ずっと楽だったのにな、この4年間…」 |
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