304 | Reply | 半オリジナル小説「おーる・あい・うぉんと!」 (第一話) 『どうしようもない俺に精霊がおりて来た?』 | 路崎 高久 | 2003/09/10 01:14 | ||
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「よし、決めた!私、あなたを主とするわ!」 「・・・・・・・・・・は?」 自らを精霊と名乗るその女の子は、いきなり立ち上がると威勢良く俺に向かってそう言い放つ。 「だーかーらー、あなたは私の主、つまりご主人様ってこと!よろしくね!」 「・・・ちょ、ちょっと待ってくださいよー!!」 これが、ちょっと強気で生意気でギャーギャーうるさくて、そしてとてもかわいくて綺麗な精霊「ゆあん」との衝撃の?日々の始まりだった・・・・・。 半オリジナル小説「おーる・あい・うぉんと!」 第一話 『どうしようもない俺に精霊がおりて来た?』 (話の始まりは数時間前にさかのぼる・・・) まさに土砂降りと形容するにふさわしい7月の夕立の中、すっかり暗くなった街中をこの俺、「望月 望」(もちづき のぞむ)は、家を目指してチャリを飛ばしていた。 傘差し運転は日ごろから手馴れていたが、この日の雨はほとんど横殴りに近く、傘はほとんど無用の長物と化していた。 そんなこんなで家の近所の小さな公園に差し掛かった時、公園の真ん中に一本だけ立っている大きな木の下に、だれかがうずくまっているのを俺は見た。 よく見ると女性・・・それも俺と同い年ぐらいのようだった。 東北のこんな小さな地方都市に浮浪者がいるとは思えないし、野宿でもなさそうだ。ましてやこの天気だしな。 じゃあ・・・犯罪者か?そうは思えない。何故だかわからなかったけど、その時俺はその人が犯罪者だとかの類のものとはどうしても思えなかった。 ・・・今思えば、そのまま無視して家路を急げばよかったのかもしれない。でも、俺はその人に声をかけてしまった。 「・・・大丈夫ですか?」 「・・・・・・だれ?」 地味な色合いのウインドブレーカーを着込み、フードを下ろしているため顔は判別できないが、声の質からやはり女性だと俺は判断した。 「この近所に住んでる者です。一体どうしたんです?ケガとかしていませんか?」 さらによく見ると小さなリュックを持っている。・・・着替えはないのだろうか? 「・・・行くとこが無い、ただそれだけよ。気にしないで」 女の子はこちらに顔も向けずに、やや捨て鉢な感じでそう言った。だが、フードの先から滴り落ちるしずくを見る限り、かなり長い時間風雨にさらされていたようだった。 「気にするなって言ったって・・・(ふぅ)・・・とりあえず俺の家に来ませんか?そのままだと風邪ひきますよ?」 「あなた・・・警官?」 ようやく女の子はこちらに顔を向けてくれた。薄暗がりの中で、俺の顔をちらっと見たそのとき、深い紫がかった瞳が見えた。 「警官?違う違う、ただの高校生ですよ」 「じゃあ・・・なんで私を助けるの?見返りなんて無いわよ?」 「この大雨の日に濡れ鼠でしゃがんでいる人を見て、無視してほっぽって行くことが出来ない性分でしてね。さあ、立って!」 そういったらその女の子はため息まじりに立ち上がったので、俺はその子をチャリのケツに乗っけて走り出した。 数分後、俺も女の子もびしょ濡れになって家についた。 「あ〜もう!ぐしょぬれ〜!」 そう言いながら女の子は着ていたウインドブレーカーを脱いだので、俺は初めて彼女の顔をしっかりと見ることができた。 「・・・・・・・・・・・・・」 その子は・・・綺麗、だった。長い髪をポニーテールにしていたが、その髪の色が神秘的だった。 エメラルド・グリーンとでもいうのだろうか?う〜ん・・・うまく言えないが、宝石のような緑色だった、と言っておこうか。 とても染めた髪にはみえない。そもそも日本人なのだろうか?もしかして外国人?その割には喋りのアクセントが自然だったような・・・? ・・・それにその大きくぱっちりとした瞳も印象的だった。 深い紫がかった黒色で、見つめたら吸い込まれそうな感じさえしてくる。こんな感じの瞳も日本人には無い。 「ねぇ・・・・・お風呂、借りていい?」 女の子の姿に見とれていた俺は、彼女の言葉であわてて我にかえった。 「へっ?あ、そうでしたね。どうぞ、こっちです」 俺が風呂を勧める前に、女の子は自分から風呂を貸してくれと頼んできた。 図々しいと言えば言えるかもしれないが、もとより俺も風呂ぐらいは貸してやるつもりだった。このまま風邪でもひかれちゃたまらないからね。 しかし、だからといって男の俺が女の子に風呂に入れというのもヤバイかなと思ったので、彼女から申し出てくれたことは、はっきり言ってありがたかった。 「風呂場はここです。着替え・・・用意してドアの前に置いておきますから」 「ん・・・ありがと・・・・・(バタン!)」 俺は脱衣所のドアが閉まった音を聞くと、居間に「いる」家族に話しかける。 「ふぅ・・・ただいま。父さん、母さん、それに美香・・・。ちょっとお客さんをつれて来ました。でもこの雨で服が濡れちゃってるから・・・母さん、服を借りますね」 返事は・・・無い。父さんも母さんも妹の美香も、黙ったまま俺に笑いかけているだけだ。まぁ・・・「写真」がしゃべるわけないよな。 でも、俺は家族が忘れられなくて、いや、忘れたくなくて、高校生になった今も写真を置いている。・・・さすがに話しかけるのはそろそろやめようかなと考えてはいるが。 「おっと、服をださなきゃ・・・」 俺は乾いたタオルで濡れた体を拭き、シャツその他を着替えると、以前母さんが使っていた部屋に行き、クローゼットを開ける。 中にはちょっと地味だけど、品のいい洋服がいくつも掛けられている。 母さんがいなくなって、こんな服はもう使う機会は無いだろうと思いつつも、結局捨てることも、他人にあげることもできずにとっておいた服・・・。 まぁ、今日こうして使う機会があったのだからよしとするか。 俺はその中の普段着になりそうな服を適当に見繕うと、クローゼットを閉めて部屋を出た。 服は長い間着られていなかったとはいえ、た○すにゴンなどで常日頃から手入れをしていたから十分着れる・・・はずだ。 服を抱えて脱衣所のドアの前に立つと、シャワーの水音と中国語らしき歌のようなものが聞こえてくる。・・・やっぱり日本人ではなさそうだ。 「(コンコン)ドアの前に着替えがありますから、とりあえずこれを着てください。それと、濡れた服は乾燥機に入れておいてくれませんか?」 俺は脱衣所のドアの前からすこし大きめの声で言った。すると、歌が止まって返事がかえってきた。 「あ、ありがとー。なにからなにまで悪いね」 「別にかまいませんよ。じゃあここに置いておきますから」 そう言うと俺は脱衣所の前に服を置いて居間に戻り、ココアを淹れる。 ・・・着替えを置く時は脱衣所の中に服を置くものだろ?という意見があるかもしれない。俺もそう思うし、相手が同性だったらそうしていただろう。 だが今風呂に入っているのは年頃の女性だ。しかも、今日初めて出会った名前も知らない女の子ときてる。 俺が脱衣所にのこのこ入ったと同時に彼女が風呂から出てきたらどうする? ・・・間違いなく俺は覗き魔扱い確定だ。 俺はそんな漫画やゲームみたいな展開は好きじゃない。 ・・・それに彼女に失礼だろう? 「素性も知らない女性を家に入れる俺も俺ですがね・・・」 知らないうちに声が出てしまっていた。俺は一人苦笑する。 ・・・と、同時に独り言まで「〜です、〜ます調」を使ってしゃべっている自分に気づく。 「ふぅ〜・・・父さん、あなたの『どんな時も、誰に対しても敬語や丁寧語で話す』癖・・・受け継いじゃいましたね」 またも独り言。しかし、これは父さんにむかって言ったセリフだ。独り言じゃあない。 もっとも、写真の中の父さんは返事もせず、ただ俺に笑いかけてくれるだけだ。 「なんで、俺を置いて、3人で行っちゃったんですか・・・」 俺は、もう何百回繰り返したであろう質問を声に出していた。 「母さん・・・母さんの服、あの人に合いますかねぇ?」 地味な服装に身を包んではいるが、それでも良家のお嬢様の面影が残る母の写真に、俺は語りかける。返事は・・・無い。 「美香・・・そっちにも、学校とかってありますか?」 母譲りの、地味だがとても品の良い服装を着けた妹の写真に、俺は問う。答えは・・・やっぱり返ってこない。 「・・・・・・・・・・・・なんで、俺を・・・・・一人だけ・・・・・・・置いて・・・・・・・・」 「(ガチャッ)ふぅ〜、いいお湯だった〜。ありがとうね、すっかり長風呂しちゃった」 突然ドアが開いて、彼女が居間に入ってきた。俺は慌てて涙ににじんだ目をこすると、用意していたココアのカップを彼女に渡す。 「あ、ありがと〜(ズズズ・・・)はぁ〜っ」 「あの〜、とりあえず、名前を聞かせてもらえませんかね?」 心底美味しそうにココアをすする彼女を見て、俺は当然といえば当然の質問を口にした。すると彼女はカップから口を離して、ちょっと生意気に言った。 「名前?こういう時は男性の方から名乗るのが礼儀じゃないの?」 俺は少々むっとした。 『恩を仇で返す』 そんな言葉が脳裏に一瞬だけ浮かんだ。 しかし、彼女が言っていることもあながち間違いとも思えなかったので、俺は素直に名をつげた。 「・・・望月 望、『のぞむ』って呼んでください。あなたは?」 「私?私の名前はユァンワン、中国語で『願望』って意味かしらね。あ、でも日本人には言いにくいみたいだから、『ゆあん』って呼んで。よろしく」 「ゆあん・・・さん?」 「違う違う、ゆ・あ・ん、ゆあんよ」 「だから・・・ゆあんさんでしょ?」 「(あちゃー、とポーズをとって)ああもう!鈍いわね!『ゆあん』でいいの。『さん』はつけなくても良し!」 「えっ!で、でも・・・・・」 「でももヘチマも無い!」 強く言い切られ、珍しい女性もいるものだ、と俺は思った。男性ならともかく、女性が、しかも初対面の相手に呼び捨てを強要するなんて・・・・・。 ・・・・・でも、ま、彼女がそれでいいのならこっちも呼び捨てでいいか。 「・・・わかりましたよ、ゆあん。・・・これでいいですね?」 ゆあんはこれを聞いて満足そうに『よしよし』とうなづいている。 「でも、あなたを呼び捨てにしているのだから、俺のことものぞむって呼んでくださいね」 「オーケーオーケー。それじゃあのぞむ、ほかに質問は?」 「・・・・・三つあります。まず一つ、あなたはどこから来たんです?」 「どこからって・・・中国だけど?」 『やっぱり・・・』俺は思った。しかし、まだ気になる点がある。 「その割に日本語が上手いですね」 「まぁ〜ねぇ〜。たしかに生まれは中国だけど、ここ十年は日本にいたからねぇ」 じゅ、十年!?なるほど、そのぐらい日本にいればこんなに流暢に日本語が喋れるのも道理だな。 「じゃあ、その十年間、あなたは日本のどこにいたんです?」 「ほんの一ヶ月前までは、神奈川にいたわね。でも、今はあてもなくあちこちを放浪している身よ」 「二つ目の質問はそれです。なんでこんな天気の日に、あんな場所にいたんです?」 そう俺が言うと、ゆあんはちょっと困ったような顔をして、言った。 「・・・雨宿り、しようと思ったから・・・・・」 「なんであんな所で?第一、この町に来た理由はなんです?親戚とかがいるんですか?」 「・・・・・いないわ」 「・・・・・・もしかして、家出、とかですか?」 もしそうだとしたら、ちょっとやっかいなことになりそうだ、と俺は考えた。しかし、ゆあんは首を横にぶんぶんと振った。 「違うわ。・・・家出は帰る家があるでしょ?私は・・・・・帰る家が・・・もう無いの」 「無い、って・・・それはどういうことです?」 「するべきことを成し遂げられなかったから・・・とでも言うのかしらね」 「はぁ?・・・どういう意味ですか?それは」 俺がいぶかしむようにゆあんを見ると、彼女はしばらく黙った後、唐突に口を開いた。 「・・・・・のぞむ、あなたは精霊って・・・いると思う?」 「・・・・・それと質問となんの関係が?」 「いいから答えて!」 「・・・・・・・・思いません」 「じゃあ、私が自分は精霊だ、って言ったら、これは信じてくれる?」 「・・・・・どう見たってあなたは人間でしょう?」 「それはどういった根拠から?私が例えば、ランプの中から出てきたりしたら信じてくれるの?」 「そりゃ・・・まあ、ね。何事も証拠無しでは信用したくてもできませんからねぇ」 『こんなオカルト話じゃな・・・』俺は心の中でつぶやいた。するとゆあんはちょっと困った顔をして言った。 「・・・そう、証拠、ね。それは・・・・・今は見せられないわね。私の・・・・・」 「私の?」 「あ・・・主になる人にしか、『力』は使っちゃいけないもの・・・」 「はぁ?」 俺は意味がわからなかった。主?主ってどういう意味だ?昔の浪人じゃあるまいし、そもそも『力』って何なんだよ!? 「ねぇ・・・・・」 「は、はい?」 すっかり混乱した俺に、ゆあんはこう問いかけた。 「こっちからも一つ聞いていい?この家に、今はあなたしかいないの?」 ・・・この質問には、できれば答えたくない。 しかし、ゆあんのほうは質問にはちゃんと答えてくれているので(一部意味不明なやつもあったが)、俺もちゃんと答えることにした。 「・・・・・ええ」 「ふ〜ん、でもご家族はいるんでしょ?」 「・・・・・ええ。父と母、それに妹が」 「そう。ご家族は今どちらに?旅行とかに行ってるの?」 「・・・・・・・・・・死にました」 「えっ!?」 「・・・・・事故でね」 「あ・・・・・ごめんなさい、私、そんなつもりじゃ・・・」 「・・・・・いいんですよ」 ・・・・・あれからもう一年半近く経つ。 その日は妹の・・・一つ年下の美香の15の誕生日をみんなで外食しながら祝うつもりだった。 俺は部活で遅くなるので、父さんが母さんと美香を車に乗せ、部活の終わった俺を学校の前で拾い、そのままレストランにでも行くつもりだった。 ・・・・・でも、車は来なかった。警察から学校に連絡が入ったのは、予定の時刻から30分ほど過ぎた頃だった。 見通しの悪いカーブでの、対向車の大型トラックとの正面衝突。 原因は、相手のトラック運転手の飲酒によるスピードの出し過ぎと前方不注意。 父さんの車は、運送会社の大型トラックの前輪に巻き込まれ、歯車に挟まった異物のような感じで、クシャクシャになっていた。 俺が現場に駆けつけた頃には、もう3人とも人としての形を成していなかったらしい(らしい、というのは、警官たちがどうしても見せてくれなかったからだ) その後、葬式やら裁判やらがあったが、その時の俺はまさに抜け殻のようだった、と友達が言っていた。 幸い、母さんの兄、俺にとっての伯父が東京で弁護士事務所をやっていたので(ついでにいえば、かなりの腕利きだ)、裁判や損害賠償、保険その他の金銭問題は滞りなく進んだ。 裁判では、相手はかなり見苦しく言い訳をしたが、飲酒運転に対する法案の改正もあり、結局俺たちが勝訴した。 事故の当事者であるトラック運転手には懲役刑と、ハンパな額ではない賠償金の支払命令が下った。雇用先の運送会社にも何らかの処分が下されたらしい。 こうして・・・大切な家族の命と引き換えに、俺は欲しくもない莫大な金を手にした。 伯父夫妻は、俺を養子にして一緒に東京で暮らさないかと言ってくれた。俺は裁判でかなり世話になっていたし、一時は承諾しようとも考えた。 ・・・だけど、俺はたとえ死んでいたとしても家族と一緒にいたかったから、結局こうして、一人東北のとある地方都市の一軒家で暮らすことに決めた。 もっとも、大学に進めば上京して、正式に伯父夫妻の養子になる約束になっているけどな・・・・・。 「・・・・・む?ねぇ、のぞむったら!」 「あ・・・・すみません、ちょっと・・・」 俺はハッと我にかえった。ゆあんが心配そうに俺を見つめている。 ・・・・・本当に吸い込まれそうな瞳だ・・・っていけね、そうじゃないや。 ゆあんは心底すまなそうに、言った。 「・・・本当にごめんなさい。知らなかったとはいえ私、ちょっと無神経だった・・・」 「いいんですよ。気にしてませんから。・・・それよりゆあん、これからどうするんです?もうこんな時間ですし・・・」 そう言って俺はちらっと壁に掛かっている時計を見た。もう夜の九時だ。 帰ってきたのが六時半で、ゆあんと話し始めたのが七時ちょっと過ぎだったから、かれこれ2時間近く話していたことになる。そこで、俺は3つ目の質問を切りだした。 「これから・・・・・どうするつもりですか?」 「・・・・・・・・・・・」 ゆあんは返事もせず、じっと俺の顔を見つめている。・・・・・正直言って、恥ずかしい。 「・・・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・」 お互い無言のまま、時間だけが過ぎていく。ゆあんは相変わらず俺の顔を見つめているが、俺は恥ずかしくてそっぽを向いていた。見つめ返すことなど、できるはずがない。 「・・・・・ねぇ」 時計の秒針が2周ほどしたとき、ゆあんが突然口を開いた。 「あなた・・・・・今自分は幸せだと思う?」 俺はちょっと返事に窮したが、正直な答えを言った。 「・・・・・いいえ」 再び沈黙。だが、すぐにゆあんはなにか決意したようにうんうんうなずくと、いきなり立ち上がって言った。 「よし、決めた!私、あなたを主とするわ!」 「・・・・・・・・・・は?」 「だーかーらー、あなたは私の主、つまりご主人様ってこと!よろしくね!」 「・・・ちょ、ちょっと待ってくださいよー!!」 俺は大声で叫んだ。当然だ、いきなり主になるだのなんだのって言われても、さっぱり訳がわからない。なのにゆあんはしれっとした顔で、 「あら、不服なの?精霊の主になれる人なんて、百年に一度いるかどうかなのに?」 などと言っている。 『だからそうじゃねーって!』と大声で叫びかけたが、その時ゆあんは急に真面目な顔になって、こう言った。 「・・・・・私が、あなたのご家族を生き返らすことができる、と言ったら?」 「!?」 「あなたはまだ信じてはくれないかもしれないかも知れないけれど、私は心清き者の『願望』ををかなえる精霊よ」 ゆあんはさらに続ける。 「・・・・・ただし、かなえられる『願望』はたったの一つだけ。それでも、望みとあらばいかなる望みもかなえることが可能よ」 「・・・・・俺の家族は?」 「もちろん。『家族を生き返らせてほしい』と望めば、生前と全く変わりない姿で生き返せるわ。」 「・・・・・それが本当なら、俺はすぐにでもそうしたいです。でも、こういうのって代償とかがつきものなんじゃ・・・」 「それは無いわ。・・・強いて言えば、『願望』を成就させた後、私はその人に別れを告げなきゃならないきまりだけどね」 「それって・・・さっきの十年間神奈川にいたって事となにか関係が?」 「鋭いわね・・・・・そう、私はもともとは長い間中国にいたんだけど、先代の主が中国から日本に移住してね。それで私も日本へ来た、ってわけ」 「それじゃあ・・・・・その先代の主って人は願いを成就したんですね?だからあなたは一緒にいられなくなった、と」 そう俺が言うと、ゆあんはちょっと悲しそうな顔になり、『そう、そんなところかしらね・・・・・』とだけ言った。 「・・・・・とにかく、私ならあなたの望んでいることを一つだけかなえることができるわ。どう?悪い話じゃないでしょ?」 「・・・・・ゆあん、あなたはうそをつくようなタイプには見えません。でも・・・やっぱり信じられないですよ、そんなうまい話・・・」 俺がそう言うと、ゆあんはしばらく考えていたが、やがて口を開いた。 「・・・じゃあ、さっきから言ってる『証拠』ってのを見せてあげましょうか?」 「えっ!?」 「その代わり、私が精霊であるって『証拠』を見せたら、あなたはかならず私の主になるって誓って。それでいいでしょ?」 「・・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・どうなのよ?」 ゆあんは急かすようにそう言った。 『この子の強気な態度・・・本当なのか?いや、まさか・・・でもただのオカルトとも思えない・・・・・』 俺は、考えた。しかし、俺の頭じゃとても考えつかないと悟ったので、俺も覚悟を決めた。 もういい、百聞は一見にしかず、だ。見るだけ見てやろうじゃないか。 「・・・・・わかりました。では見せてもらいましょうか。・・・そのかわり」 「そのかわり?」 「くだらない手品なんかでごまかすのはやめてくださいね。もしそうだったら・・・・・すみませんが警察を呼ばせてもらいますよ」 ・・・いちおう脅しのつもりだった。だが、ゆあんは『な〜んだ、そんなことか』とでも言いたげな表情をすると、玄関に向かって歩き出した。 「なにしてんの?来なさいよ」 言われるままに俺は後をついていく。 靴を履いて外に出ると、雨はすっかりやみ、一面の星空が広がっていた。 「さてと・・・・・じゃあのぞむ、私の十八番のすっごい技、見せてあげるね。さ、手をつないで」 そういうとゆあんは自らの白い手を差し出してきた。俺はおずおずとその手を握る。 とたんに彼女の体温が伝わってきた。 ・・・・・あったかい・・・・・。 「さ、のぞむ、どこでもいいからあなたが行ったことのある場所を頭の中に思い浮かべてちょうだい」 そう言われたが、いざ思い浮かべようとすると、なにも思い浮かばない。 仕方がないので俺は毎日通っている高校を思い浮かべた。 「おっ、来た来たっ!それじゃいくよっ!」 ゆあんがそう言った瞬間! シュオン!!・・・・・・・・・・ ・・・・・目の前の景色が歪んだ・・・・・。 「・・・・・・・・・・ここは!?」 はっと気がつくと・・・・・学校、だった。 『県立成平(せいひょう)高等学校』、俺の・・・現在通っている学校だ。 築10年も経っていない、真新しい校舎。月明かりに照らし出されたその姿は、紛れも無く俺の通う母校だった。 その校舎の正面入り口のところに、俺とゆあんは立っていた。 「どう?これは私が使える技の一つで、ある程度の距離までならどこにでも一瞬で移動する、いわばテレポートみたいなものかしらね。私はかっこよく『ダッシュ』って呼んでるけど」 「じゃ、じゃあ、俺たちは家から・・・・・」 「そ。じゃあ、せっかくだからおまけに・・・」 そう言うと、ゆあんは不意に俺の手を掴んだ。 「いっくよ〜っ!いっせーの、せっ!!」 タンッ!! 俺たちは今度は空を飛んでいた。・・・いや、「飛んで」いたというよりは「跳んで」いたというほうが正しいのかもしれない。 ともかく、俺とゆあんの身体は高く跳び上がり、次の瞬間には3階建ての校舎の屋上に着地していた。 「・・・・・・・・・・」 「どう?こっちは『ジャンプ』って呼んでる技よ。ビルの2〜3階ぐらいの高さなら楽に越えられるわ」 「・・・信じられない・・・」 「まぁ、無理もないかしらね。じゃあ、これでどう?」 そういうと、ゆあんは俺のほっぺたをつねった。普通に痛い。 「いてぇ・・・」 「痛いなら夢じゃないってことよ。どう?これでも信じられないかしら?」 彼女はそういうと、ふふん、と得意げに鼻を鳴らした。 「・・・・・すみません、少し・・・待ってもらえますか?」 俺はそう言うと、屋上の端に行き、ポケットから白くて四角い小さな箱を取り出した。 『フロンティア』、一言で言えば「煙草」だ。十本あまり入っていた内の一本をくわえ、静かに父親の形見のジッポ・ライターで火をつける。 一瞬あたりが明るくなり、そしてもとの暗闇に戻る。火はついたようだ。俺はそのまますうっと煙を吸いこんだ。煙が肺内に送りこまれてくる。 俺は不良と呼ばれる人種ではないが、家族がいなくなってから、精神安定剤代わりに吸うようになった。もっとも、月に一度あるかないかぐらいだが。 一年ほど前は煙にむせていただろうが、今は・・・ぼんやりとながら、味がわかるような気がする。ま、煙草のみだった父さんに比べりゃまだまだだろうけど。 ・・・父さんは、この「フロンティア」を吸いながら、よくこう言った。 『人の値打ちと煙草の味は、煙になってわかるものです・・・』 ・・・と。当時は意味がわからなかったけど、今はなんとなくわかる気がする。 ・・・・・でも、自分が煙になってしまったらどうしようもないじゃないか・・・。 「落ち着いたかしら?」 背後でゆあんの声が響いた。俺は携帯用の灰皿(これも父さんの形見だ)に、短くなった煙草を押し込むと、ぼそっと独り言のように言った。 「ゆあん・・・・・」 「ん?なに?」 「あなたは『願望』の精霊だと言いましたね?その精霊が、なんでこんな力を持っているんです?願いをかなえるだけなら、こんな力、必要ないんじゃないですか?」 「ああ、それはね・・・私はたしかに『願望』の精霊だけども、願いをただかなえるだけじゃないわ」 「・・・と言うと?」 「『願望』っていっても、いろいろあるでしょ?それを一つだけかなえてあげるって言われたらやっぱり迷ってしまうんじゃない?」 「まあ・・・そうですね」 「だから、主がその『願い』を考えている間、そしてその『願い』が成就するまでの間、主の身を守ったり身の回りの世話をするのも私の役目なのよ、わかった?」 ・・・・・そう言われて、俺も腹をくくった。 まだ本当に俺の家族を生き返せるのかわからないけど、どうやら彼女は本当に精霊らしい。 信じて・・・・・みるか。 「わかりました。・・・信じますよ」 その瞬間、ゆあんの顔がぱあっと明るくなるのが、月明かりの下でもわかった。 「よかった〜。じゃあ、のぞむは私の主になってくれるのね?よろしくね、主様!」 そういうとゆあんは手を差し出してきたので、俺は彼女の手を心持ち優しく握ると少し照れながら、言った。 「こちらこそよろしくお願いします。でも・・・」 「でも?」 「・・・俺のことを主だとか、様付けで呼ぶのとかはよしてくださいね。そういう呼ばれ方ってされてことないし、恥ずかしいんで。それと、願い事のことなんですが・・・」 俺はちょっと言い出しにくい言葉を切り出たが、言ってから『しまった』と思った。 『願望を成就させた後、私はその人に別れを告げなきゃならないきまりだけどね』 ゆあんの言った言葉が脳裏に浮かぶ。いくら風変わりな出会いとはいえ、精霊に出会ったのだ。願いはすぐにでも叶えたいが、すぐに別れるのもなんかつらい。 そんなことをぼんやり考えながら返事を待っていると、ゆあんは頭をぽりぽりとをかきながらこう言った。 「それなんだけど・・・私たち精霊は、もともと心の清い人しか呼び出すことができないの。・・・・・私はちょっと例外なんだけどね」 ゆあんはそういうと、俺の目をまっすぐに見つめながら話を続ける。・・・やっぱり恥ずかしい。 「今日、あなたにいろいろと親切にしてもらって、『あ、この人は清い心の持ち主だ』ってなんか直感したんだけど・・・・・」 「本当に清い心の持ち主か、疑わしい・・・と?」 「う〜ん、それもあるわね。本来私のような精霊は、清い心の持ち主しか呼び出すことができないから」 「でもあなたは、俺が呼んでもいないのに現れた・・・というか、最初から『いた』じゃないですか。それに俺はそんなに清い心の持ち主なんかじゃ・・・」 「そうね・・・。でも、あなたは自分が思っているよりはるかに清く、そして優しい心の持ち主よ。それは精霊である私が保証するわ」 「そんな・・・」 俺は赤面した。ゆあんが思ってるほど、俺は清くも優しくもない。だが、面と向かってそう言われると、恥ずかしいながらも、嬉しかった。 「とりあえず、しばらくあなたと行動をともにして、あなたが本当に願いをかなえるに値するか、そしてその願いがどれほど強いかを見させてもらいたいの。いいかしら?」 『やっぱり、すぐに家族を生き返らすのは無理か・・・・・』 俺はなんとなくそんなことを考えていたので、あまり落胆はしなかった。 「わかりました。・・・・・でも、どのくらい俺と一緒にいるつもりです?それに、その間どこに住むんですか?」 俺はちょっとイヤな予感を抱きつつも、聞かずにおれなかった。 ・・・・・そして、予感は的中する。 「ん〜、だいたい二月ぐらい様子を見ましょうか。その間はのぞむの家に住まわせてね。よろしく!」 「ちょ、ちょっと待ったー!!」 俺は学校の屋上で、あたり一帯に響かんばかりの声をあげた。ゆあんはビックリしてこっちを見ている。 「お、俺の家に住む!?正気ですか?俺は男ですよ?何するかわかったもんじゃ・・・」 「何するかって・・・何をするの?」 ゆあんが不思議そうな顔でこちらを見る。『男は狼』って言葉を知らんのか、この娘は・・・。 「何って・・・・ああもう!ゆあん、いいですか、年頃の男と女がですよ?一つ屋根の下で暮らすってことは(くどくどくどくど)・・・・・」 俺はいつの間にかゆあんに説教をたれていた。別に硬派を気取るわけじゃないが、やはりイカンだろ、一緒の家で暮らすってのは・・・。 そんなことを考えながらゆあんにぶちぶちと説教をたれていると、いきなりゆあんはくすくすと笑い出した。 「くくく・・・あなたって、面白いのね」 「はぁ!?」 「別に一緒っていっても、のぞむに迷惑をかけるつもりはないわ。それでも迷惑なら、物置とかを貸してくれればそこにいるから・・・」 「じょ、冗談じゃない!いくらなんでも物置に女の子を住まわせておけませんよ!・・・だからといってホテルとか手配するのも大変だしな・・・」 こんな感じでいろいろな考えが俺の頭をグルグルと回っていき・・・・・結局、俺は折れることにした。 「・・・わかりましたよ。じゃあ、妹の部屋を使ってください。ただし!」 「ただし?」 「夜寝る時は、部屋の鍵をちゃんと施錠してから寝てください。いいですね!?」 「いいけど・・・どうして?」 「どうしても!!」 気づくとかなり強い口調でゆあんに命令(?)していた。 ・・・自分の理性がこんなに疑わしく感じられるのは初めてだ(泣) 「わかったわ。とりあえず、のぞむの家にご厄介になってもいいのね?」 「(ため息混じりに)・・・・・はい」 「やったあ!ありがと、のぞむ!(ガバッっと抱きつく)) 「!!!!!ゆ、ゆあんっ!?」 「きゃはははは、のぞむの体、あったかいねぇ〜」 「は、離れてくださいよー!!」 ・・・・・こうして俺は、「願望」の精霊ゆあんと一緒に住むことになった。 父さん、母さん、美香、待っててください。きっと、生き返らせてあげますからね・・・・・。 (第二話へ続く) ≪あとがき≫ どうも、路崎です。月天の「精霊」という設定を使った半オリジナル小説を書いてみましたが、いかがでしょうか? 半・・・というよりは70%オリジナルってとこでしょうか(滝汗) なにせ精霊器は出ない、「○天」は出ない、太助君たちは出ないで、無い無い尽くしですからねぇ・・・。 「変った話を書くヤツもいるもんだ」ぐらいの考えで読んでいただいて結構です。 一応第一話、とありますので、続編も書いていきたいな、と考えています。目指せ完結!(できるかなぁ?) では、キャラの設定など、書いてみましょうか。 「望月 望」(もちづき のぞむ) ・本編の主人公。17歳の高校二年生。ニックネームは「のぞむ」。ひょんなことから精霊ゆあんの主となる少年。 ・両親と妹の美香(みか)を交通事故で亡くしており、現在は東北地方の某地方都市で一人暮らしをしている。 ・父の癖であった「どんな時も、誰に対しても敬語や丁寧語で話す」癖を受け継いでおり、たとえ子供であろうと犬であろうと「〜です、〜ます調」で話す。 ・性格は基本的に冷静かつ温厚で、困っている人をみると放っておけないタイプ。実は結構美男子。 ・不良ではないが、未成年ながら煙草を吸う。ただし、落ち着きたい時に隠れて一本吸うだけで、月に一本吸うか吸わないかの量である。ライターは父の形見。 ・女性に対しては、ある意味、某月の精霊たちの主となった中学生の少年よりもオクテ。 ・東京に母方の伯父がいる。腕利きの弁護士で、家族を亡くした望を養子として引き取りたいと考えている。 ・「家族」をとても愛しており、家族亡き今もそれは変っていない。これは、いまだにこの地で彼が一人で暮らし続けている理由でもある。 ・ケンカは好まないが、キレると結構怖い。ちなみに、キレた時は「〜です、〜ます調」ではなくなる。 「精霊ユァンワン」(ゆあん) ・「願望」という意味の名前を持つ精霊。能力は「主の願いを一つだけかなえること、また、主が願いを考え、それが成就されるまで主の身を守り、身の回りの世話をする」こと。 ・ある事情により、精霊器および「○天」の称号を剥奪された珍しい精霊。だが「力」は精霊器なしで使うことができる(ただし、精霊器無しでの『力』の使用には制限がある) ・「力」は、「主の願いを一つだけかなえること」ほか、長距離を一瞬で移動する「ダッシュ」、高く跳び上がる「ジャンプ」などがある。 ・彼女には「願望」を成就させた後、主に別れを告げなければならないきまりがある。つまり、必ず主との別れがある精霊といえる。 ・精霊器および「○天」の称号を剥奪された理由は、先代の主と何か関係があるらしいが、これはまだ先の話(コラ) ・精霊器を剥奪されているが故に、「帰る所」を持たない。そのため新たな主を探して日本を放浪していた。 ・望いわく、「ちょっと強気で生意気でギャーギャーうるさくて、そしてとてもかわいくて綺麗な精霊」である(汗) ・外見は望と同じぐらいの年齢、つまり高校生ぐらいに見える。黙ってさえいればかなりの美少女である(滝汗) ・長年中国にいたが、先代の主の時代(1990年代後半)に主とともに日本へ移住したため、最近の日本の事情にはかなり通じている。 ・現代知識については現代日本人とほとんど変わりがないせいか、適応能力もかなり高い。某月の精霊のように、現代社会を知らないせいでトラブルを起こす心配はほぼ皆無である。 ・丁寧口調が苦手で、主ともタメ口で話す。性格もちょっと生意気だが、主の命令に反抗したりはしない。 ・実は先代の主の時代に「戸籍」や「身分」を作っており、本籍は香港、フルネームは「李 願望」(リー・ユァンワン)、身分は「留学生」となっている(第二話で公開予定) ・実は甘いものに目がない、という女の子らしい一面も持つ。特に好きなものはフルーツやチョコのパフェ。・・・・・アンタ本当に中国の精霊か?(笑) ・いろんな意味で、他の精霊とはひと味違う存在・・・かも(滝汗) ・・・こんなとこでしょうか(むちゃくちゃだぁ〜!) いずれはゆあんの過去なんかも書いていきたいな〜と考えております。ではっ! 〔おまけ・・・・・〕 「じゃあ、のぞむも主になるって言ってくれたことだし、帰りましょうか?」 「そうですね。そういえば夕ご飯まだだったな。早く帰りましょう」 「あ、そうだった。それじゃあ望、どっかで食べてこうよ!ね!?」 「・・・・・精霊もお腹が空くんですね」 「い〜から早く!」 そう言うが早いか、ゆあんはすばやく俺の手をとると・・・・・ シュオン!!・・・・・・・・・・ 俺の目の前の景色が再び歪み、そして・・・・・。 「・・・・・ここは?」 俺の家の前・・・ではない。どこかの店舗の裏手のようだ。 ・・・・・思い出した!ここはこの前この町にもようやくできたファミレス「がすとら〜く」だ!たしか、俺の家から500メートルほど離れているはずだが・・・? 「えへへ・・・ここのパフェっておいしいんだよね〜」 「へっ!?」 「いや、せっかくのぞむが主になってくれたんだからさ、こういうとこでパーッと・・・・・」 「お金はだれが払うんですか!?」 「それは男性であるのぞむが払うってのが常識でしょ。ね!(はあと)」 「ゆ・あ・ん〜!!!(ギロギロギロ)」 「ひ〜ん、のぞむが怒ったぁ〜」 ・・・・・結局、俺が奢るかたちで夕食をそこでとることとなった(ゆあんは財布もってねーし) が、しかし・・・・・。 「(モグモグ・・・)う〜ん、おいしい!やっぱファミレスの食事はおいしいね〜」 「それはいいんですけど・・・ゆあん、あなた本当に中国の精霊ですか?」 「あ、すみません、デザートにこのチョコレートパフェを一つ」 「人の話を聞きなさーい!」 ・・・・・はぁ・・・・・父さん、母さん、美香・・・・・俺の生活、これからどうなっちゃうんでしょうか・・・? 「あ、あとこっちのオレンジジュースも」 「ゆあんっ!!」 (おしまい) |
308 | Reply | 楽しいです | 空理空論 | URL | 2003/09/16 00:16 | |
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純粋に、面白いです、本当に。 オリジナル精霊ってことで、オリジナルの方向で、 こうも素直に楽しめた作品は、とってもいいなと思います。 (月天の設定が無くてもなんかかなりよさそう?なんて) のぞむに関する細かい設定とか(丁寧語口調とか) ゆあんの明るい性格とか、読んでて実にほのぼのしてきます。 事故で家族を亡くしたということは悲しくもありますが、 今後ののぞむの心の様相など、楽しみにさせていただきます。 |
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