253 Reply KvsG  第2話 あわ MAIL 2003/02/19 00:20
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前回のあらすじ

赤コートの派手男(!?)ジェスは飯屋を出ようとしていた。
すると、その飯屋にゴレム盗賊団が襲撃!店は大混乱に陥る。
しかし、ジェスの力により盗賊団は撤収。
ジェスは、その盗賊団の盗賊1をつれて森へと向かったのであった。
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本編

「ここは一体どこだってんだ?」
盗賊1がようやく目を覚ました。
なぜようやくなのかと言うと、森についてジェスと盗賊1はすでに3日たっていたからだ。
ジェスは盗賊1は当然アジトを知っていると踏んでつれてきたのだが、いくらなんでも起きる
のが遅すぎると言うものだ・・・。
下手すればこいつを見放してさっさとアジトを移してしまうかもしれない・・・。
そんな考えすらジェスに浮かんでいた。
「オイ、お前いくらなんでも遅すぎるんだって」
「それはテメエが手加減しねえからだよ!」
「普通気付くって、あれくらいの簡単な術。俺の体の色がちと薄く見えていたはずだが・・・」
彼等が何の話をしているのか良く分からない方のために特別講座。
魔術と呼ばれているものはかなりの種類がある。攻撃用の術系統と言われているのが黒魔術、
闇魔術、混沌術である。その対極に当るのが白魔術、光魔術、聖魔術である。
大体中間に当るのが精霊術と呼ばれているものであるが、所詮は中間であると考えている魔道
士は多い。だが、このタイプの術は結構役に立つのである。理由はまたいずれ。
この他には呪術、召喚術と言うものがある。魔道士、魔道剣士以外からは呪術は混沌術と思わ
れているが、まるでタイプが違う。
今回はここまでである。この他に属性やらアレンジ、クロスと言った用語は出てくるがそれら
を紹介するのはまた後ほど、という事にしておいてほしい。なぜなら一生話が進まないと言う
理由が大きいのだが・・・。
「う、薄く見えるの?」
「何で口調が変わるかな・・・」
頭をかきながらジェス。
「お前、本当に魔術のマの字すら知らないみたいだな・・・」
「あったりまえだ!俺はこの道20年近くになるんだぜ!」
「何歳?」
「ハ?」
「お前何歳だって聞いてるんだよ・・・」
「オイオイ、人に話し訊こうってんだったら、せめて名前で呼べよな」
「何でお前が偉そうになるんだよ!」
「ま、いっか。俺の名前はスルム。歳は25歳!」
「一生の大半を己は盗賊として生きているわけだな・・・。通りで」
かなりあきれている様子のジェスに対し、なぜか口調が変わり元気になったスルム。
「で、スルム。お前等のアジトはどこだ?教えてくれないか?」
「ヤダ」
「ねえ、一生口利けないようにしてやって良いんだよ?やるとお前が起きるより遅くなると分
かりきっている読心術なんかも使えたんだから」
「いや、俺が死んだら読心術の意味ないだろ・・・」
「いや、読憶術って知ってるか?たとえ相手が死んでもその記憶を完全に読む事ができるって
いうお役立ちの術だ」
笑っているように見せているジェスだが、その顔は完全に笑ってない。
さすがにこれにはスルムも負けた・・・。
彼は洗いざらいに全てをジェスに教えた。
しかし、彼はよくよく話を聞いていなかったらしい。ちゃんと話を聞いていれば、彼は別に黙
秘し続けてても良かったのだ。
ただし、それをした場合無事に済むという保障はかけらもなかったが・・・。
「で、アジトはそこにあるんだな?嘘はついてないよな」
ジェスがこう問うと、スルムは黙ってうなずいた。
嘘を言っていないという事はジェスに分かった。彼は読心術こそ時間をかけてでなければ使え
ないのだが、目を見れば嘘を言っているかどうかは分かると言う、とんでもない能力を持って
いたからだ。彼は早急にそのアジトがある場所に向かった。
ざっと小一時間はかかったものの、目的地には着いた。
幸いな事にあれほどの時間がたっていたが、アジトはもぬけの殻になっていなかった。
「フム、さすがにアジトだけはあって結構な数がいるな・・・」
当然の事なのだが、いざ目前にしてみるとそれは予想をはるかに裏切る。
漂ってくるのはすさまじい汗の匂いと、本当に微かな血の匂い・・・。
そして圧巻なのはその分かりやすさ。遠巻きに見る事ができれば、誰もが気付けるのだ。
ああ、ここがアジトなのか、と。
「ちと手荒に行くが、あんたが出てこなかったからだぜ」
実は彼はスルムが目覚めるまでに何回も町に戻っていた。しかし、その3日間まるでゴレムは
現れなかったのだ。いつもなら2日に3回のペースで様々なところを荒らすとまで噂されてい
る男が、である。
仕方なく彼は、町の中で遭遇から一気に決めると言う手を諦めざるをえなかった。
となると、方法はもうひとつしかない。直接アジトに乗り込む、と言った並の人間には無謀と
しか思えないような方法である。まぁ、こんな事ができるから彼はここにいるのだが・・・。
「最近やってなかったからな・・・。ま、大丈夫か」
こんな事を言いつつ彼は掌をアジトの入り口にかざした。そして、
「フレアブラスト!!」
と叫んだ!
すると、かざした掌から紅い光弾ができたかと思うと、一瞬のうちにそれは光線となり吹っ飛
ばした。・・・地面を。
外の爆発音は相当なものだった。当然、それはアジト全体に響き渡っていた。
それを聞きつきてやってきたのは数名の子分だった。

そのころ、ゴレムは自分の部屋の中で爆発音を聞いていた。
彼は先ほどの爆発音にも負けないほどの音を出し、机を砕くかのように叩き付けて、
「くっ、ヤツが来やがったか!」
と言った。そしてすぐに近くにいるはずの子分Aに扉を挟み指示を出した。
「オイ、お前。できる限りのヤツに伝えろ!」
「わかりやした。で、何を伝えるので?」
「各自できる限り入り口に近づくな、とな。早くしろ!」
これを聞いた子分Aは、駆け出していった(と思われる)
「さて、オレはヤツをブッ潰しに行くか・・・」
こう言うか言わないかの内にゴレムは部屋からその巨体を消していた。

「オヤスミナサイ、子分さんたち」
ニコリと微笑みこう言ったジェスの周りにはざっと十数人の子分が倒れていた。
皆斬られた痕がない。全てを術で眠らしたからだ。
「いや〜、相変わらずデッド・スリーパーは使えるな〜。ま、ナイトメアででも代用はできた
んだが・・・ここにいるヤツが全て精神異常をきたすような悪夢はさすがに見せる気にはなら
ないよな、普通・・・」
ちなみに、デッド・スリーパーと言うのはスリーピングの強化版。この術は彼が研究してアレ
ンジを行い完成さしたものだ。つまり、ジェスオリジナルと言うわけである。
名前にデッドと言うのがついているものの、別に死ぬわけではないので悪しからず。
「さてと、少しずつ進んでいくか」
そういうか言わないかのときにジェスは気配を感じた。いきなり現れた気配だが、一度感じた
事のあるものだった。
それがゴレムのものであるという事はすぐに分かった。
「意外だったな、ずっと隠れているかと思っていたのに・・・」
「フン、オレの子分に危害を加えてもらっても困るからな」
「へぇ。あんた、その見かけによらず子分おもいなんだ。もっと扱いが酷いかと思っていたよ」
「それはおそらく、町のヤツラも思っているようなことだと思うが」
しばしの沈黙。そして、ジェスが口を開いた。
「あんたも俺の前に出たら口調が変わった。一体、どっちが本物のあんたなんだ?」
「今のオレだろうな。町にいるときは虚勢を張ってるんだ」
「虚勢、か。何でそんなものがいる?あんたの事を恐れている人達の前で」
「それは、お前のようなやつがいるからだ」
ちょっと予想外の返答だったのか、ジェスは少し黙ってゴレムを軽くにらんだ。
それをかまわず、ゴレムは話を続けた。
「お前のような、お前のような強さを持っているやつがたまにあの町にくる。それに俺達も居
合わすことが何回かあった。正直、怖かったさ。そいつらがお前みたいなやつだったら、もっ
とな。だが、そいつらはお前とは違っていた。俺の虚勢にひるみ、そしてこの町から早々に立
ち去って行った・・・」
「なるほど、臆病者だったのか」
「そういうやつもいた。しかし、そいつらの中には薄情者もいた。それが・・・」
「それが魔道剣士か・・・」
「その通り」
再び沈黙が訪れた。しかし、ジェスの一言でそれは一瞬にして緊迫した空気にへと変わった。
「フン。そんな話は俺にとってはどうでもいい事だ。俺はあんたを捕まえに来たんだ。あんた
を捕まえるためには情けも容赦もかけないような男だが?」
ジェスはこういうと、いつのまにか背中の大剣を抜いていた。
「おとなしく引き下がるとは思ってもいない。俺は俺の行く道を封じようとする者を消すだけだ!」
「あんたには無理だよ。自信を持って言えるさ」


―いつからだろうか。風が止んでいた―


第2話(完)
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あとがき

長いですね・・・。すいませんダラダラと・・・。
結構話の構成が甘いのが原因だと思われます。もう少し頑張って構成していこうと思います。
当初の予定は、この作品はジェス視点で書くと言った某小説に似せて作ろうかと思っていたの
ですが、急遽変更しました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
256 Reply 心理戦? 空理空論 MAIL URL 2003/02/21 02:25
666666
別に心理戦を繰り広げているわけでもないのですが、
読んでいて、そういう風にも思えました。
(戦いの中心となるのは魔術とかであるでしょうが)
こう思うのは会話が多いからでしょうね。
個人的に設定の箇所とかも読むのは好きで、
パチパチカチカチと物事を組み立てていってる感触があります。

設定と話の流れと、そして心情と
どういう動きをこれから見せてくれるのか、楽しみにしてます。
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