13 Reply HAPPYBIRTHDAY グE 2001/09/23 17:27
cc9999
「祐一っ、おきて、大変なんだよっ。」
名雪のその声で俺は目覚めた。
「うるさいなぁ…、何だよ、名雪。…って名雪?」
今日は日曜日。
学校がないので、普通名雪は昼過ぎまで寝ている。
それが今日は俺を起こしたのだ。もう昼なのか、そう思い
俺は急いで時計を見ると、まだ朝の九時。
「おまえ、一体どうしたんだ?こんなに早く起きるなんて。」
「どうしたんだ?じゃないんだよ、大変なんだよ。」
「一体何が大変なんだ?」
「実はね…、さっきケーキを作ってたんだけど…、」
「ケーキ?おまえ、何でケーキなんて作ってたんだ?」
「祐一…。今日何の日か知らないの?」
驚いたような顔で俺を見つめる。
…今日は何の日だっけな…。
確か今日は9月23日。
ってことは…。
「秋分の日?」
「…………祐一…、ほんとに知らないんだね。」
ちょっとすねたようなかおで名雪は俺の顔を見つめる。
「今日はね、お母さんの誕生日なんだよっ。」
「…秋子さんの誕生日なのか…。」
やばい、プレゼントとか何も買っていない。
…後で買ってこないとな…。
「それでさっきケーキを作ってたんだけど、
大変なことに気づいたんだよ。」
「大変なこと?」
「うん…。」
…まさか途中でつくり方が分からなくなったとか言うんじゃないだろうな…。
「悪いが名雪、俺はケーキの作り方なんて、全く知らないぞ。」
「…誰も祐一にそんな事聞こうとしているんじゃないよ。」
…じゃあ一体何が大変なんだ?
「祐一…、お母さんって何歳かな?」
「はあ?」
「だからお母さんって今日で何歳になったのかな?」
「俺は知らないぞ、大体なんでそんなことを気にするんだよ。」
「誕生日っていったら、歳の数だけ蝋燭を立てるってことが常識じゃない。」
さも当然、といった感じで名雪は答える。
「……いまどき小学生でもそんな事やらないと思うぞ。」
多分な、と俺は後に付け加える。
「ううん、アンケートしたら、かなりの高校生が歳の数だけ、
蝋燭を立てるっていってたよっ。」
アンケート?
いつの間にそんなことしやがったんだ?
こいつは…。
いや、それ以前に高校生でもそんなことするやつがいるのか?
「ちょうどそのときのことをこのテープに撮っているから祐一、聞く?」
…とりあえずきいてみるか…。
「とりあえず、プライバシーのため音声は変えてあるよっ。」
はいはい…。


証言者1「やっぱり誕生日には歳の数だけ蝋燭を立てますよっ、
     だってその方がドラマみたいじゃないですか。」
証言者2「ボクもろうそくをたてるよっ。だってその方がうれしいじゃない。」
証言者3「あははーっ、佐祐理もたてますよーっ。ね、舞もたてるよね」
証言者4「はちみつくまさん」



「ほらね」
……音声変えた意味あったのか?
悲しいくらい全員誰か分かったんだが…。
(というか三人目と4人目、声変えた意味が全くないじゃないか)
「だいたいかなりのかずったって、4人じゃないか?」
「まだいるから他の人のも聞く?」
「ああ、ぜひききたいな。」
「やっぱり次も音声変えてあるよっ。」
はいはい・・・。

証言者5「誕生日…。たてるべきだと思います…。」
証言者6「私も立てるべきだと思うな、でも…私は誕生日最近祝って
     もらったことがない…、が、がお・・・。」 
証言者7「やっぱり誕生日は歳の数だけ蝋燭を立てるべきだよぉ。」
証言者8「ぴっこり」

「ね。」
いや、ね。って…、どうやってこいつらにアンケート取ったんだ?
こいつは。
(というか最後、高校生じゃないだろ、絶対。)
「というわけでお母さんの年齢、知らない?…知らないってさっきいったよね」
「俺が知るわけないだろ、大体そういうことはおまえが知らないとおかしいんじゃないか?」
「ことし、始めてお母さんの誕生日ケーキ作ったんだよ。だから知るわけないよ。」
「いや、それを抜いても、今まで学校に家族の書類とか持っていった時に…。」
「そういう書類とか一度も私が持っていったことないんだよ。
で、祐一なら祐一のお母さんに聞いたことがあるんじゃないかなって…」
「…聞いたことがないぞ、ほんとに。」
「うー、じゃあどうしようかな。」
「あのな、名雪。どうしてそこまでして知ろうとするんだ?」
「え…?」
「べつにそこまであせることなのか?別に誕生日おめでとう、っていえばいいんじゃないか?
蝋燭なんて立てなくても、秋子さん、きっと何も言わないぞ。」
「でも…。」
「それに、こういうのもなんだけど、秋子さんも年齢とかきにする歳なんじゃないのか?」
「……」
名雪は何も答えない。
「名雪。」
ちょうどそのとき、秋子さんが部屋に入ってきた。
「お、お母さん、外に出たんじゃないの?」
「ちょっと忘れ物をして戻ってきたのよ。…名雪、そんなことしなくても、
私はあなたのことを嫌いになったりしないから。」
「え?」
秋子さんのその言葉に俺は首をかしげる。
どういうことだ?
「名雪、親の年齢も知らない、なんて知られたら、
お母さんに嫌われる、って思ったのよね。
大丈夫よ、そんなことで私はあなたを嫌いになったりしないから…。」
「でも、親の年齢も知らないなんて知られたら薄情だって思われちゃうと思って…。」
名雪が話し始める。
そういうことか…。
「大丈夫よ、名雪。」
「お母さん…。」
そういって名雪は秋子さんに抱きつく。
そして、秋子さんも名雪をやさしく抱きしめる。



うん、うん、これにて一件落着…。

しかし…。

「秋子さん、本当はおいくつなんですか?」
「祐一さん。どうしても聞きたいですか?」
そういう秋子さんは笑みを浮かべていた。
しかし、後ろに修羅の姿が見えるのは気のせいだろうか。

「…いえ、いいです。」

俺はそう答えるのが精一杯だった。


その夜
秋子さんの誕生日パーティーが盛大に行われた。
名雪がアンケートしたときに今日が秋子さんの誕生日だと知り、
いつものメンバーが全員集まったのだ。
しかし…。
「にははっ。」
「誕生日で賞、進呈」
「往人さん、人形劇をしたら?」

…なぜこいつらもいるんだ…。
FIN

おまけ
「それはねぇ、ポテトが異次元空間を操ってつれてきてくれたんだよぉ」
んな馬鹿な…。



誕生日記念小説第二弾です。
(第一弾は遠い昔に書いた桜野さん)
さてと、三回目は誰になるのか…。
…急いでいたせいでラストが尻すぼみになったなぁ…。
(今からバイトで今日中に帰れない)
(ま、時間かけたらいいのが出来たのかは謎ですが)(苦笑)
しかし秋子さんって実際何歳なんだ?

では
14 Reply ほのぼの よしむら MAIL 2001/09/23 17:58
003300
いいですねー。
ほのぼのした中にもしっかりギャグが入っていて
楽しく読ませて頂きました。
事実秋子さんは何歳だ。
それは永遠の謎なんだろうなぁ(笑)
16 Reply それは… 空理空論 MAIL URL 2001/09/24 12:06
003300
永遠の謎でしょうね(笑)
ところで、証言のぴっこりって・・・
ポテトは高校生だったのか!!?(爆)
衝撃の事実が今明らかに!(こらこら)
それにしても誕生日を祝おうって話はいいですね。
みんなあったかほんわかしてて。
22 Reply ビバ! 秋分の日♪ ふぉうりん MAIL URL 2001/10/02 01:38
cc9999
秋子さんとおんなじ誕生日のふぉうりんです<それはもういいちゅうねん 

名雪の心配事、可愛らしくてほのぼので素敵なお話でした(^^)

やはり、謎は謎のままで最後まで行くのですね(笑)
私は秋子さんと御歳も気になりますが、その御職業もかなり気になります
誰か教えてくれませんかねぇ?
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送